家を建てる前には氏神様や土地の神様に工事の安全などを祈願する地鎮祭(とこしずめのまつり)を執り行います。
当社でもお伺いしてご奉仕させていただくのですが、稀に上棟祭(むねあげのまつり)のご依頼もあります。
昔はお菓子やお餅などを撒いて近所の人にもお披露目を兼ねて上棟祭を執り行う事が多くありましたが、今は本当に少なくなってしまいました。
祭典は建築を請け負ったものが主役となって行う神事が多く、大工の棟梁と言われた方が祭典を取り仕切って行われていました。
今はその作法を知る人も少なくなり、また手間を省くため上棟祭は徐々に少なくなっていきました。
上棟祭のお祭りには棟札を用意します。
棟札には上棟祭日に施主名、施工業者名と祭典を奉仕した神社名が記入されます。
棟札の裏面(通常は奉書紙を巻いているので見えません)
建てられた家の持ち主がいつ頃こういった建築業者によって建てたという証しでもあります。
棟札は、普段上がる事のない屋根裏の棟木に取り付けておきます。
建てられてからかなりの年月を有する社寺や100年以上住んでいる家などは修復の折に棟札を上げて、いつ頃どのような人がこの建物のどこをどのように改修したかなども記入されて納められることが多々あります。
特に社寺などの改修にはその棟札を確認してから工事が進める手順を考えるようです。
今は個人でも複数回建て替えを行うことも多くなり、棟札としての役目を果たせなくなっているのも事実です。