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5月7日は新聞休刊日

2019-05-07 05:46:19 | 社説を読む
10連休が終わり、再スタートです。
5月7日は新聞休刊日なので,昨日のコラムを一部紹介します。

毎日新聞
・ のどかな春は外を歩きたくなる季節。遍路道も同じである。この時期に四国八十八カ所霊場を巡る人は多い。慰霊、祈願、自分探し……。思いはそれぞれだろう。遍路は春の季語でもある

▲国立がん研究センターの名誉総長、垣添忠生(かきぞえ・ただお)さんも遍路道を歩いた。著書「巡礼日記」によると、がん医療に40年近く携わった自分が、妻の小さな肺がんを治してやれず、先立たれた。喪失感の深さに毎晩、酒をあおった。涙に暮れる生活をようやく立て直し、遍路へと出発したのは、妻が亡くなって7年になるころだった

▲巡礼は最初、妻の慰霊のためだった。だが、垣添さんは歩き始めてすぐに気づく。「妻は日々私とともに歩いてくれていたのだ」。亡くなってもずっと見守ってくれていたと。妻への感謝が目的に変わった

▲近年、遍路道に若者や外国人が増えている。地元は世界遺産への登録を目指し、国も外国人向けの周遊ルートとしてPRに力を入れる。経済効果はともかく、なぜこれほど人を引きつけるのだろうか

▲人や自然に触れながら、ひたすら歩く。そうすれば、垣添さんのように、何かが見つかる。目には見えない人生の道しるべのようなもの。それを探し求める人が多い時代なのかもしれない

▲<お遍路が一列に行く虹の中>。寅さんこと俳優の渥美清さんはこの句を詠んで2年後に亡くなる。思えば寅さんは、道に迷う人々に寄り添って歩くような人だった。暦ではきょうから夏である。遍路道も次第に暑さが厳しくなっていく。


日本経済新聞
・ ♪お魚くわえたドラ猫~。日曜日の夕方、テレビからあの歌が聞こえてくるだけで憂鬱になったことが実際に何度もある。「サザエさん症候群」なる言葉が登場するより前の、わが中高生時代だ。軽快なメロディーがなぜか翌日の学校を意識させ、気持ちが重く沈んだ。

▼週休2日制が普及して、世に「サザエさん症候群」は一段と広がったらしい。金曜日は解放感に包まれ、土曜日も気持ちはゆったり。それが日曜日となると夕方どころか朝からもういけない。イヤな上司の顔を思い出したり、面倒な会議の場面を頭に浮かべたり。休みが長いと休み明けの不安も前倒しでやってくるようだ。

▼令和改元をはさんだ、かつてない10連休がきょうで終わる。海外に出かけた。ふるさとで過ごした。寝正月ならぬ寝連休だった。十人十色の10日間だったろう。もっとも、早々と数日前から心がブルーに……という向きも多いに違いない。とりわけ新入社員にとって、10連休のブランクは結構きついから同情を禁じ得ない。

▼そんな屈託を振り捨てて、あすからは気分一新。それぞれの持ち場で本格始動である。思えば令和の時代が来てみれば、昭和は2つも昔とあいなった。むしろ心配なのは若者よりも、日本が伸び盛りだった時代にとらわれて頭の切り替えがきかぬ世代だろうか。サザエさんのころから前に進まない「サザエさん症候群」だ。


中日新聞
・ 人に何かを伝える時に、手段になるのは、会話や文字ばかりではない。身ぶり手ぶりや目線に絵、音楽も重要な方法だ。非言語コミュニケーションというそうだが、中には言葉に匹敵する方法もある

▼打楽器によるアフリカのトーキング・ドラムは、音にこんなメッセージを込めていたと古い記録にあるそうだ。「夜の明けるころ、労働のために集まることなく、河岸にて儀式を行いたし…森へ行くことなかれ、釣りへ行くことなかれ」(ジェイムズ・グリック著『インフォメーション 情報技術の人類史』)

▼中身が濃くて、詩情まで込められているのが興味深いが、最近は、物騒な飛翔体(ひしょうたい)の発射という手段で、意思を伝えようとする国があって、暗たんとする。北朝鮮が複数を発射した

▼国連安全保障理事会の決議に反しないような、飛翔体なのであろうか。短距離でもある。危機をあおりつつ、関係する国々の態度が、一気に硬化することのないぎりぎりの線を巧妙に狙っているようにみえる

▼米国よ、交渉したし、制裁緩和に応じよ、さもないと事態を悪化させよう。そんなメッセージか。加減の仕方などは、実に高度だが、危険であろう

▼あかんべえは、場所によって注意を促す親切なしぐさだが、「だまされないからな」と挑発気味に使われる地域もある。誤読のおそれがあるだろう。嘆かわしく、危険なしぐさである。

※ 文章力を磨くには、新聞のコラムが最適だと思っています。
 その技術を見抜いてみてください。

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