【写真10分教室】写真にもリズムがある?心地のよい写真のテクニック
名画から学ぶ 〜写真の見方、撮り方〜 第17回は『リズム・類似』です。「視覚上の特徴が共通しているものがあるとそこに心地良さを感じる」という人間の持つ認識特性を活かした表現についてご紹介させていただきます。本日の「先生」はセザンヌ、ミュシャ、ヘダ、歌麿、北斎です。
なんだか理由はわからないけれど観ていて心地が良い絵画や写真の裏側には、人間が持つ様々な認識特性を活かした表現技術があります。今回は、その中で、「視覚上の特徴が共通しているものを同じグループとみなし、複数の要素同士に関連性を感じると反復性・リズムを見出し心地よさを覚える」という特性を活かす方法を素晴らしい名画を教材として紹介させていただきます。教材となる名画は、「近代絵画の父」として言及されるポール・セザンヌによる「大水浴図」、日本でも絶大な人気を誇り、アール・ヌーヴォーを代表する画家でありイラストレーターでもあったアルフォンス・ミュシャによる「黄道十二宮」、静物画で知られるオランダの画家であるウィレム・クラース・ヘダによる「レーマーグラスと時計のある静物画」、江戸時代に「美人大首絵」などで人気を博した浮世絵師、喜多川歌麿による「寛政三美人」、 アメリカ合衆国の雑誌である『ライフ』の企画「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」(1999年)の中で日本人として唯一86位にランクインしたほど世界に大きな影響を与えた江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎による「富嶽三十六景」甲州石班沢です。 上記の名画がお好きな方や、これらの名画の中で使われている「リズム・類似」という人間の認識特性を活かした技術を知りたい方、更には、この技術をどう写真撮影に応用できるのかを知りたい方、より深く写真鑑賞を楽しみたい方はぜひご覧ください。 なお、わたしたちの理解や見方はあくまでの一例です。あくまでご参考までにとどめておいてください。ご自分が好きな写真こそが、ご自身にとって正解ではないでしょうか。「誰かの地雷は誰かの主食」(ねほりんぱほりん - NHK -)の精神をみなさんと共有できることを願っています。
第1回:なぜ、絵画から学ぶのか? • 【写真10分教室】なぜ、絵画から学ぶのか? 第2回:主題の明確化(その1) • 【写真10分教室】名画から学ぶ写真の視線誘導(リーディングライン)編 第3回:主題の明確化(その2) • 【写真10分教室】主題を明確にする構図など 第4回:主題の明確化(その3) • 【写真10分教室】ゴヤの名画に隠された写真のヒント 第5回:主題の明確化(その4) • 【写真10分教室】モナ・リザの秘密が伝える良い写真の正解とは 第6回:ビジュアルウエイト • 【写真10分教室】写真に重力?ヒトの認識特性を活かせ 第7回:ビジュアルウエイト(その2) • 【写真10分教室】不安定な写真?安定と調和の仕組み 第8回:奇数安定 • 【写真10分教室】奇数の魔法を使う。安定感のトリック 第9回:変化と調和 • 【写真10分教室】不安定なのに調和?変化の構図テクニック 第10回:変化と調和(その2) • 【写真10分教室】バランスを崩して撮る?動きを生み出す構図テクニック 第11回:画面中の重力を自由に操る秘策(まとめ) • 【写真10分教室】写真の重力を自由に操る秘策(まとめ) 第12回:写真の嘘、解決法 • 【写真10分教室】写真の嘘とは?2次元の弱み解決「三層構造」 第13回:写真の嘘、解決法(その2) • 【写真10分教室】ダ・ヴィンチから紐解く、明暗・色相による奥行き表現 第14回:写真の嘘、解決法(その3) • 【写真10分教室】空気感が大切?奥行きを表現するテクニック 第15回:写真の嘘、解決法(その4) • 【写真10分教室】600年前の発明を写真に活かそう 第16回:写真の嘘、解決法 最終回「奥行き表現(まとめ)」 • 【写真10分教室】4つの秘策で写真の弱みを解決する。奥行き表現まとめ