【産経抄】9月14日-(産経新聞)
政治が指導力を発揮せず、物事を先送りすることを「日本化する」と表現して、やゆする海外の論調がある。「国家の信用」が今、危機にひんしている-といっても野党やマスコミの政府批判ではない。野田佳彦首相が昨日の所信表明演説で述べた現状認識のくだりである。
▼海外の論調とは1カ月少し前の英誌「エコノミスト」のものらしい。欧米の指導者が財政赤字削減などでの決断を避け続けていることを「日本化している」と批判した。表紙ではオバマ米大統領とメルケル独首相に日本の着物を着させる徹底ぶりだ。
▼欧米諸国に対してというより日本への的を射た皮肉だ。それを引用した首相の見識はさすがと言いたいが、ちょっと待てという気もする。指導力のなさから「国家の信用」を最も失ったのは他ならぬ鳩山、菅という2代の民主党政権だからである。
▼沖縄の米軍普天間飛行場移設問題をこじらせ、日米の亀裂を大きくしたのは鳩山由紀夫氏だった。原発政策など数々の思いつき発言で国民を困惑させたのは菅直人氏である。「国家の危機」を語るのなら、まず2政権の体たらくを批判すべきではなかったのかと思う。
▼所信表明が行われたこの日、国土交通省関東地方整備局は群馬・八ツ場ダム問題で、治水、利水の両面からダム建設が代替案に比べ最上との結論を出した。関係6都県も工事再開を求めている。ダム建設中止という民主政権の政策は破綻したのだ。
▼「コンクリートから人へ」という美辞麗句で、2年以上の時間を空費させた責任は重い。ここでも政治の指導力不足が「国家の信用」を失墜させた。野田政権が前へ進みたいのなら、これまでの失政を反省することが先である。
野田首相は所信表明演説で
「今、国家の信用が危機に瀕している」と訴えました。
その原因は鳩山氏と菅氏と二代続いた失政だと多くの国民は思っています。
鳩山元首相の「トラストミー」に代表されるその場を取り繕う為の思いつき発言。
実質的軍事力を持たない日本にとっては日米同盟が重要な防衛力なのに
その重要さを理解していなかった鳩山氏。
もし理解していたなら、簡単に普天間移設先を県外だ、国外だと言えなかった筈です。
そして国家の危機的状況の原発事故対応では次々と思いつき発言をした菅前首相。
政権交代後の二人の首相ですから、政権交代が失敗だったと言えるでしょう。
一番の問題は「政権交代」「政権交代」と叫んでいたのにも関わらず
政権を獲る為の努力をしても、政権能力を得る努力をしてこなかった事です。
中身が無いのに外側だけを着飾ったマネキンと同じなんです。
二人の首相だけではありません。
低レベルの失言で辞職した閣僚は何人もいました。
これ等の民主党の問題点は国民を第一に考えていないからです。
国民の心の内を理解しようとする誠意がないからです。
誠心誠意、正心誠意。
いくら漢字にこだわってもそこに「心」が無ければ意味がありません。
普天間で地元住民とお互いを理解しようと対話したでしょうか。
八ツ場ダムで地元住民の訴えを十分に聞いたでしょうか。
普天間では国家観はなく、ただの人気取りだけでした。
八ツ場ダムでは住民の意見を無視した権力の行使だけではなかったでしょうか。
「コンクリートから人へ」
「官から民へ」との上辺だけで中身のない美辞麗句が今は虚しく響くだけです。
二代続いた首相があまりにも酷かったので野田首相に期待したいところですが
民主党の体質に問題がある気がしてなりません。
「三度目の正直」と期待している人もいますが、
私は「二度あることは三度ある」と思ってなりません。
そうならない為に反省が必要ですが、プライドだけは高い民主党です。
自分の非を認めたくない民主党です。
自覚しても最後の最後まで言い訳をし誤魔化したがる民主党です。
こんな民主党に未来はないと思いますが、どうでしょうか。
「福島の再生なくして日本の信頼回復はない」のはもっともですが
その前に「民主党の反省なくして民主党の信頼回復はない」と思います。