ブログ開設2000日記念の第2弾。今日(3月19日)に訪ねた広町緑地の大桜の開花状況を報告します。管理事務所の掲示板には昨日時点で三分咲きとありました。やはりこの時期になると開花状況が気になるもので午前中に行くかどうか迷いましたが、午後に思い切って行って正解でした。ここ数日暖かいが続いていましたので開花がいっきに進んでいるようです。毎年見ている花なので見れなかったときの悔しさは尋常ではありません。なんとも貧乏性で情けなくなります。
この気持ちは私だけではありません。新潮日本古典集成『金槐和歌集』に源実朝が詠んだ歌がありますが、いつの時代も人の心は同じです。
三月のすゑつかた、勝長寿院に詣でたりしに、ある僧、山かげにかくれるを見て、「花は」と問ひしかば、「散りぬ」となむこたへ侍りしを聞きてよめる
83 ゆきて見むと 思ひしほどに 散りにけり あやなの花や 風立たぬまに
校注者である樋口芳麻呂の解説では、実朝は桜のことが心配で、勝長寿院の境内に入る前に見かけた僧に尋ね、散ったと聞いて落胆し、軽く桜を恨んで詠んだ即興歌であるとありました。
今日も広町緑地から出た入口付近で散歩の老夫婦に大桜の開花の様子を尋ねられました。幸い「散りぬ」と言わざるを得ない開花状況ではなく、楽しんでくださいと伝え別れました。このコロナ禍で花見は極力控えるようにと言われていますが、広町緑地での観桜は問題ないでしょう。周りにはウグイスの鳴き声くらいしか聞こえてきません。