『貞観政要』(守屋洋訳 ちくま学芸文庫)によく引用されている『荀子』王制篇ある古語です。「君は舟なり、人は水なり。水はよく舟を載せ、またよく舟を覆す。」(君主は舟で民は水。浮くも沈むも水次第)含蓄のある言葉ですよね。さらに『荀子』では、君主の心すべき要点として、3箇条をあげています。1 公正な政治を行ない、人民を愛すること。 2 礼を尊重し、すぐれた人物に敬意を表すること。 3 賢者を登用し、有能な人物を抜擢すること。これは現代にも通用する3箇条です。
さて北条政子は『貞観政要』仮名文の作成を菅原為長に依頼し、また源実朝への侍読は源仲章が推挙されています(『源実朝』 五味文彦著 角川選書より)。これは『吾妻鏡』建暦元年(1211)にも記されています。では実際はどうか?実朝は何を学び、どう治政に活かしたのか?これは『金槐和歌集』の次の歌から推測することはできます。
いとほしや 見るに涙も とどまらず 親もなき子の 母を尋ねる
時により 過ぐれば民の 嘆きなり 八大龍王 雨やめたまへ
二十歳にも満たない将軍が民を思い作った歌。まさにリスペクトです。
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