◆ 図に示したDIGITAL MOBILE MACROCOPE PRO10 についてレポートします。
・図は×40倍で測定している状況です。奥の方で青白く光っているのがLED照明です。カメラと試料が近接しすぎているので試料の状況は確認することができません。紙のような平面的な試料ならともかく,立体的な試料(雄しべや雌しべなど)の観察には向きせん。
・照明がレンズ周りに均等に配置されていない(下部は欠けている)。しかも2灯しか点灯しません(点灯する箇所は可変)。その結果,画面の光分布が偏っており,光斑ができます。こんな画面でどんな写真を撮れというのでしょう。試料より離れて(当然低倍率)撮るのであれば構いませんが,顕微鏡写真にはなりません。一方,撮影倍率は×10と×40しか表示されないので途中の倍率は目盛りを数えないと分かりません。なぜこのような設計になったのでしょう。
・高倍率では付属の治具を使って平面的試料を撮ることは可能です。しかし照明は不均等です。このような写真は鏡筒型の顕微鏡でももちろん可能ですから,使いにくいこのカメラを使う必要はありません。
・以上を総合するとMobileであるという以外にはこのタイプの顕微鏡を使う理由はありません。Mobileの特性を生かして戸外で用いる場合,普通のマクロ写真よりやや高倍率で写真を撮ることができるということでしょう。ただし,手押しシャッターですからブレない顕微鏡写真を撮るのは至難な技です。
◆ このタイプのカメラは,これまで筆者が投稿してきたような写真の撮影には不向きであることが分かりました。せっかくカメラを買ったものの使用する予定はありません。カメラとしても顕微鏡としても中途半端な設計だと思います。2万円はちょっと高い勉強代でした。
ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭
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