生物の形-ポリ亭のマクロ・顕微鏡写真-

 身近な動植物のマクロ写真や顕微鏡を用いて撮るミクロ写真を載せていきます。「生物の形」を気楽に楽しんでいきたいものです。

タイのうろこ(3)根元付近の偏光顕微鏡写真

2007-05-30 22:52:28 | Weblog
 前回のタイのうろこの根元付近の偏光顕微鏡写真です。クロスニコルの状態で赤色(1λ)の検板を光路に挿入していますから,試料のないところや光学的に等方的な領域では赤色です。空青色に変化して部位で,おそらくはうろこの成分の高分子鎖(タンパク質の分子鎖)が長さ方向に配向していると考えられます。Ca成分の光学的性質がよく分からないので詳しい議論はしにくいのが現状です。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭  参照:高分子-ミクロの世界-

タイのうろこ(2)根元付近

2007-05-30 21:48:13 | Weblog
 図はタイのうろこの根元付近の顕微鏡写真です。棘のような構造が周辺に並んでおり,ここで皮膚に突き刺さっています。その右上に星型の黒い筋が並んでいますが,これはうろこと皮膚をつないでいたタンパク質ではないでしょうか。その右上の凹凸のある円環状の構造については後で示します。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:高分子-ミクロの世界-(Yahoo!ブログ)  

タイのうろこ(1)全体像

2007-05-29 23:26:21 | Weblog
 タイのうろこはがりごり擦ってもなかなか取りにくい。包丁の刃でゴリゴリ擦ってやっと取れます。写真は中央部のパノラマ写真です。左端には太い針のような構造がありますが,ここは体に突き刺さっていた部位です。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:高分子-ミクロの世界-(Yahooブログ)

カレイの尾ひれ(8)広角X線回折測定

2007-05-21 14:54:25 | Weblog
 魚の尾ひれ,腹ひれ,胸ひれは,魚の種類によらず似たような構造を持っています。ひれを偏光顕微鏡観察すると,長さ方向に強い複屈折を示すので,ひれを構成する高分子鎖が長さ方向に配向しているとこれまで何度か説明してきました。この高分子は何であるのかを検討しました。広角X線回折法を用いると分子鎖間の距離や分子鎖の種類が分かってきます。図はカレイの尾ひれの広角X線回折(WAX)図です。得られたWAX図はキチンでは説明できません。おそらくコラーゲンと考えられますが,単純にそう考えてよいのか,脱Ca処理などの精製した試料について測定する予定です。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭  参照:高分子-ミクロの世界-(Yahoo!ブログ) 

ニシンのうろこ(11)平坦な側(拡大図)

2007-05-21 14:31:23 | Weblog
 前回で示した縞々構造とは反対側の平坦な部位でうろこは皮膚表面にくっついている。そのやや拡大した顕微鏡写真である。所々に筋が走って補強している。平坦とはいえ表面にはさらに微細な構造が見られる。
ミクロラボ Π(パイ) 参照:高分子-ミクロの世界-

ニシンのうろこ(9)縞々構造

2007-05-17 16:11:43 | Weblog
 ニシンのうろこにある「縞々構造」の少し拡大した写真です。縞々に見えたのは凹凸のためであり,凸の領域は長さ方向の屈折率が大きく,高分子鎖(おそらくコラーゲン)がその方向に配向しているので,うろこの強さ保持の働きをしています。ぐねぐね曲がりくねっていますから,うろこ全体がどちらに力が加わっても強いことになります。凹の領域はほぼ等方的であり,うろこの柔軟性をもたらしています。
キーワード:カレイ うろこ 凹凸構造
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:Yahoo!ブログ ”高分子-ミクロの世界-”

ニシンのうろこ(8)E領域の偏光顕微鏡写真

2007-05-16 21:02:47 | Weblog
 前回の記事と同場所(E領域)の偏光顕微鏡写真です。1λの検板が光路に入っています。ウロコの縁(へり)が右斜め上になるよう試料がセットしてあります。全体としてピンクですから,縞々構造のある領域よりは光学的な異方性は低いようです。縁に沿って少し青みがかかった(紫色)縞模様はが見えますが,この領域では高分子鎖が縁に沿って配向していることが分かりまます。
キーワード:ニシン うろこ 偏光顕微鏡 
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ニシンのうろこ(7)E領域の顕微鏡写真

2007-05-16 20:53:43 | Weblog
 ニシンのうろこの縞々構造のない側(E領域)の顕微鏡写真です。比較的平坦な構造の中に数本の筋模様が縁に直角に入っています。筋模様は比較的平坦な構造を補強しているのかも知れません。
キーワード: ニシン うろこ 顕微鏡
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ニシンのうろこ(6)A領域の偏光顕微鏡写真

2007-05-15 23:07:23 | Weblog
 ニシンのうろこ,A領域の偏光顕微鏡写真です。偏光子と検光子が直交していますから,試料のないところでは暗黒です。縞々構造を仔細に眺めてみると,黒い領域と白い領域が見えます。黒い領域は等方的な構造の領域,白い領域は光学的に異方性のある領域(高分子鎖が長さに沿って配向)です。このことは縞々構造は光学的に等方的で薄い領域と光学的に異方性でやや厚い領域で構成されていることが分かります。後者がうろこの強度を向上させていることは間違いありません。
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