室生寺は国道から8キロほど山の中に入った所にあった。
集落の端にあった駐車場に車を置き、ゆっくり5分程歩いて入口に到着した。
この寺は真言密教にしては珍しく女人禁制ではなく、当初から女性の参拝を赦していたので女人高野の別名を持つ。
石楠花の美しい寺としても有名らしいがその季節には少し早いようだ。
山岳寺院らしいゴツゴツした石段を登るのだが、ここ数週間で急な石段や城の天守に上がって来たからか脚に筋肉が付いたようで、それほど息を切らさずに上がることができた。
有名な五重塔を撮影し特別公開されている国宝の仏像を見ようかと思ったが、どうせ撮影禁止だろうと思い覗いただけで入らなかった。
さて、この後 松阪を経て伊勢へ向かうのだがナビに設定し走っていると道がどんどん狭くなった。
信頼するしかない「ナビ様」は俗に云う危険な三ケタ国道368を選んだようだ。
「道の駅美杉」を過ぎると いよいよ道幅は狭くなり、路肩には『大型車は通行できません』の文字。
ドキドキしながら進むと「大型車通行困難」の文字。
さらに進むと「大型車通行絶対無理」の文字。
どうやらチャレンジ精神旺盛な大型車の運転手がいるようだが、その文字を見る度にヤバイ気持ちがどんどん膨れ上がり笑うどころではない。
ユーターンしたくてもできない道幅なので進むしかないのだ。
片側が崖の 薄暗い危険な道を、冷や汗をかきながらハンドルをクルクル クルクルと気の遠くなるほど回し続けた。