国道368号のクネクネ道を何とか無事に走りぬけた。
このような国道の事を「酷道」と呼ぶらしいが上手い字を当てたものだ。
その酷道を抜けて是非寄ってみたかったのが「斎宮歴史博物館」だ。
あまり知られてはいないと思うのだが、斎宮(さいくう、いつきのみや)を御存じだろうか。
天皇が変わる度に天皇の名代として伊勢神宮に奉仕する斎王が、未婚の天皇の娘、または皇族の女性から卜占によって選ばれ、
伊勢神宮から近い この斎宮に暮らしたらしい。
赴任の際の模様など詳しいことはわかっていないが、斎王に仕える事務方や侍女など、かなりの人数が江戸時代の大名行列の如く
都から移動し、斎宮で暮らしていたと考えられている。
従って、斎宮があった一帯は遺跡の宝庫であり、それを破壊しないために博物館を建てる時には杭を使わなかったとか。
厳かな雰囲気を醸し出している博物館内は源氏物語の世界にも似て雅やかで、しばし平安の空気に触れた気がした。