国道335号を 知床へ向かった。
正面に見えるのは知床連山。右手に見えるのは北方領土の国後島だ。
道の両側に人家が密集してきたと感じたら、そこは羅臼(らうす)だ。
今でも豪邸が所々に建っているが、200海里法施行前までは大豪邸が建ち並び、二十歳そこそこの若者がスーパーカーを乗り回すほどに裕福な町だった。
その街の中ほどにある道の駅に寄り昼食をと思ったのだが、行列が出来ていたので諦めて車の中でパンを食べた。
さて、これから峠道。ぐんぐんと高度を上げる知床横断道路は冬期間閉鎖される期間限定の道だ。
目の前に現れる羅臼岳がこの道路のシンボル的存在となっている。
峠の頂上に車を停め、周辺の写真を撮ったのだが、これだけ暑いのに山肌にはまだ雪が残っているところがあった。
三脚を据えて茂みの中を狙っているカメラマンがいたので「熊を撮っているのですか?」と訊いたら「いやいや、野鳥です」との返事。
「そうか」とは思ったのだが、ここ知床は北海道で一番熊の生息数が多い場所なので油断はできない。
この知床横断道路での目撃情報もあったように記憶している。
いつ熊に出会っても写真だけは撮れるようにと準備をして慎重に峠を下り知床五湖へと向かった。