昨夜、薄灯りの中、狂ったように雪が降っているのが見えた。
せっかく気温からマイナスの記号が消え路面が出た道を、また新たな支配者が覆っていた。
やっと屋根の上に居場所をみつけた白い粒が、何かの力で突然持ち上げられ波のようにカーブを描きながら灯りの届かない何処かへ消え去った。
でも、これは想定内だ。
この後雨に変わると気象予報士様が云っていたからだ。
ルンバだって珍しく「溶ける派」の私と同意見で「雪かきはしなくても良さそうだね」と云っていた。
それなのにだ。今朝カーテンを開けたら青空の下に一面の白。
アレッ? 雨が溶かしてくれるんじゃなかったの?
どうやら雨は一滴も降らなかったようで、今季何回目になるか忘れたが雪かきをすることになってしまった。
一番槍はスリスリ。出勤するために車が出られるようにしなければならないのもあるが、リサイクルゴミを出しに行ったついでで頑張っているようだ。
そこに続いたのがルンバ。
椅子の上には腰痛ベルトと手袋が置いてあり、無言で私に「早く出てこい」と圧力をかけている。
雪は足首の上まで積もっていた。多分10センチ以上降ったに違いない。
突然「ガシャン」と変な音がした。
スリスリが駆け寄って来て「Yさんの奥さんがリサイクルゴミを両手に持ったままひっくり返った」と教えてくれた。
私は「大股開きでバッカンしていた? パンツ見えた?」と云いながら道路へ飛び出そうとしたが、スリスリにしっかり抑えられた。