北海道でノンビリと

タブタブの何処かへ行こう を改題しました。
何処かへ行く機会も減ってきたので 北海道を楽しもうと思ったからです

来るんじゃない

2021-09-23 19:54:17 | 日記
居間のカーテンを開けたら、窓の外に一夜で作り上げたとは思えないほどの巨大な蜘蛛の巣。

そして、その中央に堂々と居座るおぞましい影。

動きさえしなければ誰からも姿が見えないとでも思っているのか、水彩画の一部にでもなったようにピクリともしない。

よく見ると、張られた糸の3ケ所に黒い小さな点。
捕食された虫の残骸のようにも見える。


今は秋のお彼岸。
それが過ぎるまでは巣を払わずに置こうと思った。

カーテンの向こうにある見たくも無い姿に耐え続ける。

そして今日。
突然現れたクジャク蝶。巣が見えていないのかギリギリの所で屋根の方へ消えたが何を血迷ったのか、またヒラヒラと下りて来た。

ルンバと二人。窓の中で手を大きく振って「来るんじゃ無い」と叫ぶ。
蝶々が食べられる所なんか見たくない。

上がり下がりを繰り返し、何度も糸に触れそうになる姿に我慢も限界。

殺虫剤を手に家を飛び出た。

悩み

2021-09-21 21:31:42 | 日記
ルンバが数日前から家の中なのにウエストバッグを腰に付けている。
それもド派手なピンク。

「買ったの?」と訊いたら娘のスリスリから貰ったと云う。
スリスリが自分には派手だと感じてルンバに下げ渡したらしい。

スリスリで派手ならルンバは、もっともっと派手なのにと思うが、本人が気に入っているのなら、まぁ良いかと思うのだけれど、動くたびに気になる。

どうやら中には万歩計の機能があるスマホを入れているようだ。

考えるに、ウォーキングしなくても家の中で家事をするだけでこんなに歩いていると、嫌味半分で私に示したいのかも知れない。

その派手なウエストバッグの位置が、今日は真後ろに位置を変えた。

つまり丸いお尻様の真上でヒョコヒョコ揺れている。

それを見ながら私は悩む。

もしかしたら、これはお誘いだろうか・・・・・
たまには触ってと云うウッフン的な誘いだろうか・・・・・

いや・・・・・違うだろうなぁ・・・・・
試してみても良いけれど、凄く痛い目に合いそうだ。

やっぱりしばらく様子をみよう。

明日、もっと大きくヒョコヒョコしていたら、もう一度考えることにして、今日はとりあえずヒョコヒョコを見ているだけにしよう。

泣く爺ちゃん

2021-09-20 17:35:48 | 日記
こう見えても学生時代に古都で暮らしていた時、多分私は雅(みやび)だった。
「雅って何だ」と訊かれたら返答に窮するが、私がそう思っているのだから放って置いて欲しい。

「そんなこと無いべさ」と云った途端、周囲の目が変わったのに気が付き
「そんなこと、あらへん」と云うように己を律した。

毎日が練習。
英語圏に暮らして英語をマスターするのと同じように耳をダンボにしてヒヤリングに努めた。

立派に京都弁を話せていたかは知らないが、周りの目にトゲを感じることは無くなった。


原田マハ。

彼女は東京生まれで関西学園を卒業した小説家。
小説を書く前に紆余曲折はあったようだが美術館に勤めたこともあり、マハはゴヤの作品名からとったそうで本名は公表されていない。

彼女の作品と初めて出会ったのは北海道が舞台の「さいはての彼女」
なかなかの名作で魅入られた。

彼女の本を読むのは、これで5冊目だろうか。

今朝読み終えたのは「翔ぶ少女」

阪神・淡路大震災で迫る火の中、瓦礫の底から3人の子供を託された医師が約束を守り一生懸命に育て上げる。

物語を優しく包むのは、見事な関西弁だ。
私の雅かどうか妖しい京言葉とは段違いに被災者に美しく寄り添う。

実は子供達にとって神様であった医師を最後には子供達が救う。
医師にとって、養子にした子供達も神様であった。

深夜に読み終えたが、最後に子供が発した言葉が効き過ぎた。

爺ちゃんを泣かせたら・・・・・あかん。

羊のような執事

2021-09-19 21:31:20 | 日記
「お父さん、何時に行くの?」
僅かだが、いつもより声が大きく少しだけ尖っている気配。

つまり殺気を含んでいると云うことだ。
応え方を間違えると言葉の矢が飛んでくるのは間違い無い。

長い経験から私は慎重に言葉を探す。

明日から秋の彼岸に入るので、準備の為にお寺へ行きたいのだ。

「いつでも良いよ」なんて云うと、「そんな他人任せにして(怒)」と云われるのは目に見えている。

だから「お母さんが良ければ、今からでも行こうか」と云ったのだが、どうやら彼女の気分を害さず正解だったようだ。

素早く着替えてスーパーでお彼岸の飾り付け用品の買物。

緊急事態宣言下、「不要不急の外出は控えて」と云われているが、けっこう人出が多く売場を動き回るルンバの姿を何度も見失いそうになる。

私は、子羊のように彼女の姿を求め後ろへ食らいつく。
彼女が手にした商品を持ちながら振り返った時にサッとカートの籠を突き出す。

執事のような私の機敏な動きを奥様は気に入ってくれたようで、ご機嫌は良い。

「この後、何処へ行くの?」
奥様の問いに、「いつものルートで廻ろうかと・・・・・」と応えたのだが、それも気に入ってくれた様子。

よしよし、今日は無難に過ごせそうだ。
私はハンドルを握り、先ず奥様の両親が眠るお寺へ向かった。

冷気

2021-09-18 17:47:44 | 日記
大雨、洪水警報が出た。

九州で冠水被害を出し、東海地方を東に進んでいる台風14号の端っこが雲を呼び大雨を降らせているのだ。



屋根に載っていた目障りな鳥の糞が消えていた。嫌いな雨も密かに良いことをするのだと少しだけ感謝した。

既に降水量は100ミリを超え、JRも運休しているようだ。

雨雲が夕暮れをいつもより早めた。

強い風がふんわりと街を包んでいた優しい空気を蹴飛ばし、気温を一気に下げて日常の夫婦の会話に「寒いね」と云う言葉が増えた。