高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

浜松 顔立ち

2008年04月10日 08時33分07秒 | 出張

48_030 河岸さん御夫婦に連れて行っていただいたのは、浜松駅近くのビルの5階。飲茶のお店「氷箱里」(ビン・シャン・リ)と読む。つい三日前結婚式を挙げたばかりの河岸さんのお嬢さんがアルバイトをしていたお店だそうだ。40前後のマスターが挨拶に来た。爽やかな誠実そうな顔立ちである。飲食店というのは、ただ単に食べ物を提供するのでなく、雰囲気と豊かさ、気持ちの良さを提供しなくてはならない。お店の人の顔立ち、表情は美味しい食事をする上で大変重要な要素である。

48_032 人通りの少ない、辺ぴな場所のビルの5階。此処までお客様を呼び上げるのには相当な実力と努力が要る。開店して2年余りで、結構な繁盛店になっているのは、大した物である。料理を作っている料理人は中国人の「劉」さん、本場中国の「1級点心師」だそうだ。この人も良い顔立ちをしている。

中国には3級から特級までの点心師の資格があるそうだが、(日本の調理師に似たものだろうか?)特級点心師になると、国の財産として国外に出ることは出来ないそうだ。1級点心師になると、教える事が主に成り、直接、その人達の料理を食べることは少なくなるそうだ。

「氷箱」(冷蔵庫)「里」(~の中から)  マスターの思いを込めた命名である。

『氷箱』(bing xiang)は中国語で『冷蔵庫』、『里』(li)は同じく『~の中』を意味します。
時は移り、世に冷蔵庫という便利な道具が現れ、それまでの生活が一変しました。
我々はその『箱』に強い魔法性を感じたものです。

我々は幼い頃、外から帰るとまずその『箱』を開けました。
それは今でも習慣となっています。
なぜ思わず開けるのでしょうか?
それは自分の求めるものが入っていることを知っているからです。

よく観察している母は、子の求めるものを『箱』の手に届く場所に置いたものでした。
その繰り返しはいつしか、日々の欠かせぬ楽しみの一つになったのです。
子ども達は世界中どこも同じです。中国でもまた然りです。
我々が中国で過ごした日々にはこんな場面が多々ありました。

映画などにもこの『箱』は人々の生活を写すものとして登場します。
これは日本だけの事でしょうか?いいえ、これは世界中どこも同じです。

『箱』の中には土地の食生活を代表する物が入っています。
『箱』の中には母から家族への愛情が詰まっています。

多民族国家・中国の家庭にある『箱』から美味さと楽しさを提供し続けたい。
そんな想いからこの名、『氷箱里』を付けました。

時を経ても、この『魔法の箱』は無くなりません。
過去から未来へ、親から子へと食文化が引き継がれていく様に、我々も皆さんに・・・

河岸さんと美味しい中華料理を頂きながら楽しい時間を過ごすことが出来た。特にお奨めはニラ饅頭、広東焼き餃子、土鍋スープ、どれも口に頬張った時に中から肉汁が飛び出してくる。チマキも美味しかったし、最後のデザート杏仁豆腐も絶品であった。アーモンドの様なほのかな香りが漂い、口当たりもしっかりしていた。

浜松に行った時は是非お奨めの店ですよ!

竹工房オンセ

コメント
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