5月26日は、南アルプスの青薙山(あおなぎやま:標高2,406m)です。
神奈川の丹沢に次いで近い山域が、あの南アルプスということで、雪がそろそろ消えかけた南アルプスにお邪魔することに。これまで一度も入ったことのない山域です。まずは、家から最も近いはずの、南アルプス南部、それも、日帰りでピストンの出来そうな場所で探すと、この青薙山が候補となりました。それでも、丹沢に比べると2時間は余計に時間がかかるため、車中前泊に。道具を詰めて一路南アルプスへ向かいます。新東名の新静岡で降りて県道27号を井川に向かいます。買い物はコンビニで、なのですが、行けども行けどもありません。道はどんどん山の中へ。今日車を止める予定の畑薙第一ダムのゲートまでは、まだ60kmはあります。よもやと思い、Uターン。高速出口のコンビニで明日の行動食を買いましたが、結局、ここが最後のコンビニでした。
「事前のチェックは大事!」
今回の山行の全てが、これに当てはまりました。南アルプスなんだから、という思い込みは全く駄目でした。こんな奥深い場所に行くとは夢にも思いませんでした。高速出てから、ほぼ林道と言ってよい県道を走ること3時間、狸の親子と日本カモシカにお目にかかります。やっと目的地に着いたと思ったら、「がけ崩れのため通行止め」だと。あと一キロだよ!夜なかで誰もいないので、歩いてチェックの上、特別に通してもらうことに。
26日朝5時。今回は林道を4km歩くことになっていたので、MBならぬママチャリに乗っていざ出発。@沼平。
今日の苦労は、朝から始まります。ママチャリ快調で、登山口見過ごす。ありえない河を越える橋までついて間違いに気づく。Uターン。林道は崩落斜面のがれきでいっぱい。いつ上から降ってくるかわかりません。メットは必携。登山口は、小さくて、字も読めず、目立ちません。のっけから不安になりますね~。
05:40登山口スタート。いきなり道迷い。最初のガレ場で道を見失う。おいおい、今日は帰った方がいいんじゃない?結局、最後まで誰とも会わない登山は今日が初めてでした。シーズン前とはいえ、気候的には十分な今日でも、誰もいない。いや~な雰囲気で始まりましたが、ぐんぐん高度を上げれば南アルプスの主峰が見えてきます。
聖岳や赤石岳が、山頂に雪を残して見えます。今日の青薙山は、主峰に対して東側に位置する支脈です。天気も上々、気持よい!
07:40池ノ平。標高1,700mにあるこのルート唯一のテン場。林の中に湧水があって、ここで滝から始まって沢になり、大井川に流れ込みます。林の中のオアシスという感じ。ここからは、ダケカンバとカラマツの林を抜けて、「赤崩の頭」(あかくずれのかしら)へ。道に迷いながらたどり着いたのは、大崩落部。とても上からみれるものじゃありません。下に見えるのは、大井川の源流、というか、ダムの上流部。登山道のすぐ横まで崩落部が迫っています。そのうち、この路は無くなるんだ・・
10:00山頂。山頂付近はまだ腐れ雪が残っていて歩きにくければ、方向も分かりにくく、四苦八苦。雪解け以降、山頂を踏んだのは自分だけ?というくらい踏み跡がない。天気は良いが山頂は林の中で、眺望は良くない。一部北東方向が見えて、赤石岳の雄姿が。
10:45山頂発。ここからが、はじまり、とは誰が予想したことやら。この時点でも人っ子一人に合わず、だんだん心細くなってきました。下り始めていきなりコースアウト。この山は、広葉樹林が頂上まで覆っている割には、足場が悪くかつ、急峻で一歩道を外すと崖に迷い込みます。ぼろぼろの赤いテープを必死に探し、踏み跡を眼を皿にして歩くのですが、何度も何度も道から外れるとたまりませんね。おもわず明日の予定を考えてしましました。ルートファインディングの力と、コンパスは最低必要と知る。ほうほうの態で、登山口までたどり着いたのは、予定時間を大幅に過ぎた14:00でした。きょうのアルバイトは超きつっ!
<今日の反省>
・場所は入念に下調べすべし。よもや、ほとんど人が入らないような場所とは、調べれば分かる
・南アルプス観光道路とはいえ、かなりハードシップの高い道路(林道)。落石、通行止めは日常茶飯事。これも知っておくべきでした。
・コースから外れたら、必ず尾根に戻る。今日は何回戻ったことやら・・
・コンパスは必携!
・日程の組み方もよく調べて。今回は、道路も、山も想定以上に時間がかかったため、最後は東名の大渋滞(30km)にはまる。(涙)
今日は温泉もなし・・・。累積標高差1,670m。お疲れ様でした。
単独行を焚きつけたのはアミーゴさんで、僕は横で竹口をふーふー吹いている。ですから、「面白い」という表現を使っていると、いくら自己責任である登山の世界でも“何かあれば”は心配ですが、これがあるから現実に何が必要なのか身に染みる・・というものですよね。
悪戦苦闘しているときは極度の緊張と集中に見舞われますから、過ぎてみればぐったりでありながらストレスなどどこかに飛んでいます。
大変な一日だったかもしれませんが、これに懲りずに南、中央、北へとお進みください!
山登りの一番のトレーニングは山登りであり、また一番の上達法は単独行だ。着実にそれを実行しているじゃないか。
夏山でいくらルートを見失っても夏道が存在するわけだから、冷静さを失わなければ決して遭難することはない。
どんな山域でも通っているうちに、地形やルートが頭に入る。回を重ねて通うことだ。
次なる冒険談を期待している。