Takの山行記録とバイオリンとかAIとか

山行記録に加えて必死に練習中のバイオリン、必死に勉強中のAIについて

最果ての街、ウシュアイア

2019-12-29 10:13:00 | Life in USA by Tak


ウシュアイアは、アルゼンチン、というより、世界最南端にある都市。南緯55度、人工2万の大都市だ。実は、海を挟んだチリ側の対岸には、ポートウィリアムスという街があるのだが、軍事施設なので省く、という、アルゼンチン側の理屈。

ヨーロッパの山岳都市のようですが、立派な南アメリカ最南端、標高ほぼ0mです。

街の南は、ビーグル水道で対岸はチリ。ここはアンデス山脈の南の端で、標高も1,000m前後と高くはないが、山頂部には氷河をいただく山も多い。

アルゼンチン側のマルティアル山(1,450m)にも氷河がある。

この街から東京まで、17,806km。自称’世界の果て(End of the World)’。


果て、と言われる場所には、やはり、刑務所があります。1800年台後半から20世紀前半にかけての軍政時、反対勢力がここに流されていたとか。網走のような刑務所博物館がありました。

ウシュアイアは、ここ。上の黒線は、マゼラン海峡なので、それよりまだ南という事。


これは南極の地図(アルゼンチンの管轄)ですが、左端上の青点のウシュアイアとの距離感を見てください。1,000kmで南極。南極向け観測隊やクルーズのほとんどは、ウシュアイアに寄港して手続き後、南極大陸に向かうんだそうです。



ウシュアイア発、14日間の南極クルーズ、お一人様250-600万円也!



ウシュアイアはフエゴ島の南端に位置するのだが、地図の線、これ国境、を見てください。西とビーグル水道を挟んだ南はチリとなります。このややこしい地図を頭に入れて、ビーグル水道のクルーズに出かけましょう!



モレノ氷河

2019-12-29 08:44:00 | Life in USA by Tak
12月25日、氷河を見に行きます!

全体を見渡せる展望台より。見える一番奥は、14km先だそう。左の尖った、かっこいい山は、氷河と同じ名前のモレノ山(1,640m)。氷河の右に見える半島の先に行くと、目の前に現れます。

35kmの道のりを、長い年月かけて、ここで最期を迎えます。もとい、それから水に帰り、またアンデスの雪となって、氷河になるのかもしれませんね。

最大で1日2m動くと言われるこの氷河、この先端部で崩落を繰り返してアルゼンチン湖の水となります。元々太平洋からやって来たその水は、今度は東に向かい、大西洋へ流れ込むことになります。

この距離だと氷河先端部は全部見えません。

ちなみに、時間は日本時間。青く光る氷には、どれほどの歴史があるのだろうか?1日2m動くのならば、35kmの移動には50年もあればここまでたどり着くのだが、さて、事実は、、調べておきます。

写真黒円の右側から氷河を望む。半島の突端は、氷河の目と鼻の先、100m位の距離で見ることができる。地図の湖がアルゼンチン湖。
モレノ氷河は、エルカラファテから西に80km、チリ国境アンデス山脈のピエトロベッリ山(2,950m)に源を発する。全長35km、幅5km、高さ60m、パタゴニアでも有数の氷河だそうだ。パタゴニアのこの一帯は、ロスグラシアレス(氷河)国立公園で、ユネスコの世界自然遺産にも指定されている。冬、太平洋からの湿った風がアンデスに雪を降らし、アルゼンチン側に氷河となって流れ落ちてくる。ガイドブックによれば、この一帯の氷河は、南極、グリーンランドに次いで世界第3位の規模なのだそうだ。
氷河の目の前でビデオを回す事2時間、小さなものも含め、4回の崩落を見る事ができた。音も、ビジュアルも迫力満点!動画のアップをお待ち下さい。


真夏なので陽がさせば暖かいですが、ガスって雨など降ると、氷河から吹き下ろす風が冷たく、レインスーツと手袋は必携。写真の遊歩道を伝って、氷河の目の前まで行くことができます。
パタゴニアで思う事。それは、なんでもかんでも広く、大きいため、その素晴らしさや広大さをどうしたら伝えられるか、という事。写真や動画ではなかなか伝えきれませんので、これもまた、妄想と心の目でご覧いただけることをお願い申し上げます。


アルゼンチン湖の東より、西にモレノ山を望む。麓の右奥に氷河がある(はず)。


このような光景が延々と続く。向こうの山は、氷河で削り取られたあと。

パタゴニアは風が強い。いつでも、何処でも旗がちぎれんばかりにはためく。冬は、一体、どうなる?
これから、さらに800km南下、地の果てのまち、ウシュアイアに向かいます。




フィッツロイ

2019-12-26 22:12:00 | Life in USA by Tak


どうしてもパタゴニアで見たかったのが、この山、フィッツロイ(3,408m)だ。


この有名なロゴのモデルだ。12月24日、エルカラファテからバスで3時間、麓の街、エルシャルテンに行く。


エルカラファテからは、アルゼンチン最大の湖、その名もアルゼンチン湖と、ピエドマ湖の2つと、大平原を越えて行く。

写真では分かりにくいが、ここは氷河で抉られた大カールなのだ。前の地図を見てほしい。湖を含む一帯の平原がカールであることをお分かりいただけると思う。左端の緑が現在の氷河。実際に見るより、地図で見る方が分かりやすい。


エルシャルテンからハイキングでフィッツロイに向かう。山頂は無論無理だし、最も山頂に近いビューポイントまでも往復10時間と日程に合わない。街から最も近いビューポイントまでの往復4時間コースを選択する。


街を後に登り始める。世界遺産かつ国立公園のここは、登山道もしっかり整備されている。


標高こそ低いが、ここは南緯50度、サハリンの緯度と同じくらいで、寒帯の気候だ。植生も日本の高山植生のよう。年平均気温が8度のパタゴニアの冬は雪に閉ざされ、風も強い。植物は低く身を固めて、花の蕾も小さい。


そして、標高750m地点、フィッツロイの頂きは雲の中だった。


本来ならこう見えるはず。


ロゴと同じ風景は、残念。横にいた男性曰く、3度目だが、以前2回は雨でまるで見えず、今日は左端の2つのピークが見えて、ラッキー!
ここからは、パタゴニアの短い夏を彩る、可憐な花たちをご覧下さい。














日本の高山植物とは多くの共通点があるようだ。






麓に降りればホレ、たんぽぽの咲く、草っ原。


パタゴニアというと、何か、随分違う所、というイメージを持っていたのだが、こうして中に入るとごく普通の自然がごくふつうにある、という感じ。




こんなスケールの大きい自然が当たり前のパタゴニアにも、たんぽぽの咲く、原っぱがある。素敵だ。
明日は、氷河を体験する。

















そうだ、パタゴニアに行こう!

2019-12-26 18:36:00 | Life in USA by Tak


今年8月、ふと思ったのでした。そうだ、今年の冬はパタゴニアに行こう!パタゴニアは南米大陸の南の端、最も日本から遠く、最も南極に近い、茫漠、荒涼、冷涼の場所。今アメリカにいる、この時を逃してなるものか。南緯50-55度のこの地は冬には閉ざされた世界。行くなら南半球の夏、北半球の冬がベスト。


パタゴニアと言えば、アウトドアファッションの会社ですが、アメリカはカリフォルニアの会社が何故、パタゴニアをブランドとして選んだのか。正確にはわかりませんが、フィヨルドに流れ込む氷河、鋭い頂を持つ山、ガウチョ、空を駆け回るコンドル、と言った、空想的な風景、が当時の創業メンバーたちが気に入った理由のようです。そして、この企業は環境保護にとても積極的なようです。30年以上前、鎌倉の直営店を訪れた時、売られていたのがペットボトルからの再生ポリエステル製フリースでした。僕の最初のイメージは、まさに環境派スポーツウェア、でした。

さあ、パタゴニアは一体どんな場所で、どのような印象を与えてくれるのか、期待に胸膨らませて、計画を立てました。使える日数はクリスマス週をまるごと使って9日間。土曜日午後にサバンナを出発、夜行便でアルゼンチンの首都ブエノスアイレスには日曜日の昼到着、翌月曜日、さらに2,800km飛んでパタゴニア観光の中心地、エルカラファテに、やっと、入ります。火曜日、バスでエルシャルテンへ移動、パタゴニア社のロゴのデザイン、フィッツロイ山を眺めて再びバスでエルカラファテへ。翌水曜日、午前中は氷河の崩落を見学、午後、最果ての街、ウシュアイアへ800km移動。木曜日、船でビーグル水道をクルーズし、野生動物たちと出会い、水路を囲む山々を眺める。そして金曜日、フエゴ国立公園の自然に触れ、夜、ブエノスアイレスへ。土曜日の夜行便でアメリカへ。これが、パタゴニア、最短、早分かりコースのようです。実質4日間しかいられません。これがパタゴニア。日本からだとさらに3-4日かかりますから、普通のお仕事をしている方には絶望的に遠い場所なのです。


東京から17,806kmだそうです。対セキ点、という言葉がありますが、東京のそれは、ブエノスアイレスの東方海上にあります。まあ、ほぼ地球の裏側からさらに南に 3,000km行った所、南極まであと1,000km、というのが、パタゴニアのある場所です。
さあ、どんな場所か、行ってきます!