高住神社公式ブログ

英彦山豊前坊高住神社の公式ブログです。

12月14日(火)の様子

2010年12月14日 15時35分37秒 | 日別天気・交通情報

本日の高住神社の状況です。

◆雨

◆6℃

久しぶりに沢の水が流れているのを見ました。

落ちた枯葉や杉の枝がたまっているのを見て、いつかかき集めなくては…と思っていたのですが、

今日の雨ですべて洗い流してくれた模様。

 

自然には自浄作用がありますから、たまった砂泥や落ち葉なども下流へと押し流してくれます。

山のミネラルや分解された落ち葉などの栄養素は川に溶け込み、微生物や川の生物を育て、

さらに河岸や砂洲にたまった土砂には、風や鳥によって運ばれてきた草や木の種が芽吹き、

他種多様な植物群と、虫や鳥たちの楽園を形成します。

 

遠く、極北の地にはこんなお話があります。

きまぐれな鳥によって運ばれた木の実が河畔に芽吹き、年月を経て一本の木へと成長します。

雪解けの流れは勢いよく、川岸を削りながら数年後にはとうとうその木まで到達し、

激しいうねりによって根元を洗い流された木は、大いなる流れに身をまかせて長い旅路へと出発します。

そして何百kmの流れとともに河口へと押し流された木は海流に乗り、長い長い航海を経て、さらに北の海岸へと辿り着きます。

その頃にはせり上がっていた枝や根も折れ、面影がないほどすっかり姿を変えてしまった木でしたが、

渡り鳥の休憩地となったり、動物のマーキングポイントとして、広大無辺な土地での目印となりました。

そして、それに気づいた猟師が罠を仕掛け……

 

といった一本の木にまつわる物語があるのですが、最後にこの木は薪となっておしまい。

ですが、燃えた木は炭素などの生物を構成する物質に還り、いつかまた、一本の木に戻る日が来るだろうとしめられています。

きっと、この山の木々の枝葉も、水とともに流れ、濁流に揉まれながら時には激しく岩場に身を打ちつけ、

長い月日を経て辿り着いた地で、何か別のものを育むものへと変わるのでしょう。

降りそぼる雨を見ながらふと思い出した話でした。

 

上記の話が気になる方は、『極北の動物誌』(著:ウィリアム・プルーイット)でお調べ下さい。

Kyoku

自然と動物、そして人間の関わりなど面白いですよ。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
>紫月様 (I権禰宜)
2010-12-17 12:30:14
>紫月様
こんにちは。
とうとう英彦山も雪のシーズン到来です。
今日も-4℃!
実はだんだんと気温が下がるのが楽しみで仕方ありません。
日常では味わえない別世界気分になれますから(笑)
 
くまの子ウーフ、名前は聞いたことはあります。
フライパンじいさんのお話を調べてみましたが、いいお話ですね。
本来の役目を終えても、何かの、誰かの役に立つ。
童話はシンプルながらも深い意味がこめられていますよね。
小さな頃に読んだお話は、大人になっても記憶に残ることがありますし、
子供と一緒に読んだときに、忘れていた道徳的な内容を改めて思い知るときがあるのでしょう。
 
本当はもっとシンプルに、自然に生きていくことができたらいいのでしょうけど、大人になったらそれがなかなか難しい。
ですが、子供たちには大切なことを教えていきたいし、逆に子供の純真さから学べることもあるんじゃないかなと思います。
次の世代のために、こういった大事なお話は受け継いでいきたいものです。
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こんにちは。 (紫月)
2010-12-16 08:40:01
こんにちは。
だんだんと寒さ厳しくなってきましたね。
今回の木の話しに少しだけ似ている童話があります。
低学年の教科書にも載っている、くまの子ウーフという有名な物語を ご存知ですか?
同じ作家さんの作品でフライパンじいさん という物語があるのですが、フライパンの役目を終えて旅に出て、最後は、南の島へ流れ着き鳥達を癒し、雛を育てるベッドとなります。
大人になって読んでも、童話は涙が出るような話が沢山ありますね。
木の話も、本来の役目を終え、次の役目を終え、、形を変えながらも何かの役に立つ自然は本当に凄いです。
人間は役目を終えたら骨になり壺に入るだけ。
自然の有り難さ、偉大さを改めて感じました。
いつも、良い お話を有り難うございます。
子供にも話してやりたいと思います。
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