高住神社公式ブログ

英彦山豊前坊高住神社の公式ブログです。

5月23日(土)の様子

2020年05月23日 10時34分40秒 | 日別天気・交通情報

本日の高住神社の状況です。

◆晴れ

◆13℃

 

山裾で田への水張りが行われ始める頃、山間部はすでに田植えが終わり、まだ針のように細い苗がたよりなさげに風にそよいでいます。

苗が植え終わると皆作(かいさく)といって、田植え完了の報告と生育祈願の祭りを行うのですが、水源地である高住神社に参りに来る習わしが続いているのですが、こうした祭りは農家にとって節目であり、皆作祈願の予約が入るとカレンダーを眺めながら、この組の連絡がきたから次はどこどこの組かな・・・と予定を立てるため、私たちにとっても行事が暦になっているのを実感します。

そのため毎年ほぼ同じ時期に祈願が集中するのですが、昨年はなぜか時期がずれて遅く来ており、その理由を尋ねてみると昨年は水不足で田植えが遅れていたと。

はっと思い出し、そういえば昨年の今頃は、油木ダムの底が露出するほど渇水に悩まされていたときでした。

農家にとって田の準備は実生活そのものですから、梅雨が来なければ田植えも叶わず、不作の一歩手前という危機でしたから、糧として食する我々にとっても一大事を免れたわけです。

今年はそうした水不足も「今のところ」はないので一安心ですが、水なくしては生きていけないのが万物の定めなんだな、とつくづく感じました。

 

 

潤沢なときも枯渇するときもある山水ですが、岩清水とばかりに滾々と湧き流れるさまは一服の清涼感をもたらしてくれるもので、五月の柔らかな日差しの木漏れ日が差し込んで苔がぱあっと明るく照らされると、それは見惚れるほど美しい光景となります。

水を得て真っ先に色濃く輝くのは苔たちで、生き生きと生命力に満ち溢れてみえるのは、水への喜びを満身で表しているからでしょうか。

この水から作られる米も、この山の精髄を含んだ贈り物であって、その水で仕込んだ酒もまた霊気の宿る賜り物。

お酒のアルコールのことを酒精といいますが、「精」にはスピリットやエッセンスといった霊的な要素、純粋なるもの、といった意味があり、酒造りの工程を考えるとアルコールが生成され、それが”酔い”という不思議な効果をもたらすことも、醸成された甘味や風味が美味いと感じるのも、神秘のなせるわざと考えてもおかしくはないですよね。

水の精、山の精、草木の精、岩の精・・・そうした自然に宿る精霊がもたらしてくれるピュアな恵み・・・なんて想像をふくらませながら飲むのも一献かと。

 

高住神社でお出ししている御神酒は、今川中流にある造り酒屋・林平作酒造場の謹製。

豊前坊より湧き出た水が酒となり、霊気宿した《エッセンシャル》な御神酒として水源地でお配りしています。

そんな物語を含んだ御神酒はここでしか出しておりませんので、ご参拝の折にはどうぞ。

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5月20日(水)の様子

2020年05月20日 12時17分28秒 | 日別天気・交通情報

本日の高住神社の状況です。

◆晴れ

◆14℃

 

気づけばトチノキが花を咲かせていて、小さかった若葉も成長し、幹の下に大きな木陰を作るほどに成長していました。

毎年高い位置に花を咲かせるため、ほとんど見ることができません。

しかし嬉しいことに、今年は低い位置に花を咲かせてくれたため、肉眼でも観察できるのです。

見える場所は、賽銭箱の段からちょうど振り返ったあたり。

すぐ分かるだけで4輪、葉の陰になっているのまで数えれば7、8輪ほど探せるでしょう。

これほどまとまって見れるのはめずらしいことなので、ぜひ見つけてみてください。

 

トチの花をみつめる狛犬。

トチノキの成長もお見守りくださいまし。

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5月17日(日)の様子

2020年05月17日 11時36分39秒 | 日別天気・交通情報

本日の高住の状況です。

◆晴れ

◆14℃

 

福岡県の「緊急事態宣言」が15日に解かれ、気持ち的に少し楽になった方も多いことかと思います。

この宣言解除というのは、社会経済が停止しない範囲で社会活動を行いながら、引き続き感染症への警戒を続けること、という意味だと思っていますので、流行が再燃しないよう、ビフォーコロナのような行動には気をつけましょう。

 

少しずつ公共施設や観光・娯楽施設の一時閉鎖が解かれはじめ、人々の動きにも変化が見られます。

登山者も以前の人出に戻りつつありますが、『英彦山山開き』が中止となり、また全国でも山開き祭が中止になるなど、野外イベントもしばらくは自粛が続きそうです。

登山医師会が登山とコロナ禍の関連を説明しているように、密閉ではないアウトドアなら安心、ということはありませんので、緊急事態宣言が解除された今、収束から終息へと落ち着くよう、自身の行動に責任を持ちながら社会活動の復帰をめざしましょう。

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5月6日(水)の様子

2020年05月09日 10時17分20秒 | 日別天気・交通情報

本日の高住神社の状況です。

◆曇り

◆14℃

 

端午の節句が近づくと、和菓子店やスーパーマーケットの催事コーナーでかしわ餅が売られ始めます。

おなじ季節商品の節分豆やひなあられとは違い、生もののかしわ餅は節句間際でないと売られないので、めずらしいものになるのかも知れません。

 

たまたま入った店で、柏の葉で包んだかしわ餅、地元の和菓子屋が卸していたかしわ餅(がめの葉)の2種類が売っていたのでどちらも購入してみました。

かしわ餅という名前から、柏の葉でくるむのがオーソドックスで、その他の葉は地域性によるものとずっと思っていたのですが、実は違うんだとか。

”かしわ”の名は炊し葉(かしは)が由来であり、古代、穀物を葉に乗せて甑(こしき)で蒸したことから、炊事をする=炊ぐ葉が語源。

カシワといえば現在ではブナ科の広葉樹のことを指しますが、かつて調理に用いる葉はすべて「炊し葉」と呼んでいたことから、特定の植物を指す言葉ではなかったようです。

ナラガシワ、ホホガシワ(ホオノキ)といった呼び名が残っているように、敷いたり包んだりと調理に用いた葉は、すべて「かしは」と呼んだわけです。

 

大嘗祭における神饌献備の用具一覧『神社有職故実図絵』より

 

* * * * * *

 

ところで、この辺りではかしわ餅にはがめの葉を用います。

がめの葉とは方言で、標準和名を「サルトリイバラ」と呼ぶ植物のこと。

実物を見たことがないので詳しい説明ができないのですが、どうやら日本全国に自生しており、人間の生活圏に近いところにもあるようです。

実は、全国的にかしわ餅といえばこのサルトリイバラの葉を使ったかしわ餅のほうが多く、ブナ科のカシワで包んだかしわ餅は関東圏の文化だとか。

その説明で分かりやすい文章がありますので引用いたします。

 

「もともと、里山の林縁に普通に生えているサルトリイバラの葉が広く使われていた。ところが、中世の大都会である江戸では多量の葉を集めるのが困難であり、代替品が必要となった。それがカシワの葉である。ところが、参勤交代で江戸詰めとなった地方出身者には評判が良くない。そこで、カシワの葉が新葉の開芽を待って落ちる性質を捉え、縁起が良い樹という宣伝をした。」

●広島の植物ノート特集 特集-4かしわ餅のまとめ (http://forests.world.coocan.jp/flora/issue/issue-4.html)

 

コピーライティングを用いて、カシワの葉は縁起が良いと、合理的理由にもっともらしい説明を付加させたわけです。

販売されていたかしわ餅のうち、カシワの葉は大手製菓メーカーさんのもの。

やはり大量に均一な商品を全国的に販売となると、ネーミングにふさわしい葉のほうが説得力があるのでしょうね。

 

まとめると、かしわ餅は、「カシワの葉で包んだ餅」ではなく、「かしわ餅を包むのに使った葉だからカシワ」であって、カシワという植物名については”炊ぐ”という行為が先にあり、葉に包んで蒸した餅だから”かしわ餅”となり、いくつかある炊し葉のうち、ブナ科のカシワのみにその由来が引き継がれた、という話です。

 

全国をみるとサルトリイバラは西日本に多く、カシワは関東・中部、そのほかニッケイやハリギリ、ホオノキ、アカメガシワ、ミョウガ、ゲットウ(沖縄)といったように、地方色豊かなかしわ餅の姿があるようです。

同じように呼び名も多種多様であり、共通するのはハレの日だったり、田植え行事やお盆など特別な日に作られる食品ということです。

以前、茅の輪考でチマキに触れましたが、こちらも端午の節句を表す食品であり、”植物で包む”という共通点があります。

身近な植物だったというか、現代人が植物を利用することから離れてしまったというべきか、掘り下げていくと、植物の語源、地域性、文化の発祥など、様々な興味深いものに行き当たり、ますます日本文化が楽しいものになりますね。

参考サイト:『広島の植物ノート』様(http://forests.world.coocan.jp/flora/issue/issue-0.html)

参考文献:『植物と行事 -その由来を推理する-』湯浅浩史

 

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5月1日(金)の様子

2020年05月01日 13時24分44秒 | 日別天気・交通情報

本日の高住神社の状況です。

◆晴れ

◆13℃~18℃

 

英彦山のリンゴ園では、リンゴの花盛り。

リンゴは桜と同じバラ科。やっぱり似たような時期に咲くものなんですね。

柵に囲われているので目につかなかったのですが、満開に咲くリンゴの花って可愛いものですね。

 

花の蜜を集めにニホンミツバチが飛び交っていました。

こうしてミツバチが受粉して回ってくれるおかげでリンゴができるのでしょう。

アブの仲間も飛んでいましたが、被写体としてはハチのほうが「らしさ」がでます。

こうした虫たちのおかげで実りが得られるのかなと思うと、自然の力なくしてはわれわれの食物も得られないんだなとあらためて実感しました。

これからの梅雨や真夏をしのぎ、立派な果実が実りますように。

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