夏日照り輝く土用丑の日、夏越祭が斎行されました。
暑さ極まるこの時期は身も心も弱まりがちに。
体力・気力が衰えると、身体の抵抗力が落ちて病気に陥ったり、暑さでぼんやりとなって注意力不足となりケガをしたりと良くないことも。
一般には“水無月の大祓”と称し、半年間の罪穢れを取り除く神事として、知らず知らずに心身についた罪穢れを人形になすりつけ、身代わりとして祓い清める行事が古来より受け繋がれてきました。
夏越祭にむけて人形を書く参拝者の様子
田川市郡では「土用籠もり」というものがあり、氏神様の元で直会がてら夜通しお籠もりをする風習があります。詳しい由来ははっきりと分かりませんが、おそらく炎暑で疲弊した人畜の休息と慰労をかねてのものでしょう。
土用は五行のうち「土」の期間にあたり、土を動かすことを禁じることから田畑をいじらないようにという意味もあるのではないでしょうか。
それと関わりがあるのか不明ですが、高住神社では昔から土用の丑に夏越祭をする慣わしがあり、この日にササやチガヤを持ち帰り、家屋や馬屋の門口に吊るしたり家畜の餌にすると健康でいられるといった信仰が云い伝えられております。
さて、当日は晴れ。気温24℃と英彦山にしては暑いくらい。
ここでこの気温ならば平地はもっと暑いことでしょう。
祭典も終わり、宮司より大祓式の意味と土用についての説明がなされます。
土用とは立春・立夏など四立の直前約18日間を指す期間のこと。
季節の節目にあたり、ことさら立秋前の夏の土用は暑気払いとして重んじられてきたということ。
平たくいえば「節分」のようなものなのです。
その節目にあたって災厄を除くのが夏越の大祓であり、蘇民将来の故事にちなみ、茅の輪をくぐり健康で過ごしましょうというのがこの祭りの意義なのです。
といった説明の後、全員で茅の輪くぐりへ。
茅の輪をくぐる参拝者たち。
皆さん思うところがあるようで、念じながらくぐる方もいらっしゃいました。
これにて夏越祭も無事に終了。
* * * * * * * *
今年は14日に北部九州一帯を襲った大雨被害の爪跡が若干残るままでの祭典となりましたが、一部道路ではいまだ交通規制がかかったままの悪条件の中、そして厳しい暑さに関わらず御参拝下さった皆様にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。
こうした状況もあり、当日の参拝は例年に比べ少なくはありましたが、電話や手紙で神社の水害被害を気遣ってくださる声が多く、その心遣いに職員一同大いに励まされました。
また水害を被り避難生活を強いられた中で、神社のためにと御寄付をして下さった方々もいらっしゃり、一抹の心苦しさを感じつつもその御篤信に感謝いたしております。
誠にありがとうございました。
当ブログもそんな最中で更新が遅れていますが、祭りが終わってひとつ肩の荷が下りたのでボチボチ再開しようかと・・・。
最後になりましたが、被災された方々がまた元通りの生活に一日も早く戻れますよう、社頭より御祈念申し上げます。