令和2年、3月20日(祝・春分の日)に、春季大祭ならび柴燈大護摩修法を執り行いました。
今年の春季大祭は、現在、世界規模で問題となっている新型コロナウイルス対策により、祭典時間および内容を一部変更いたしました。
予定時刻より1時間早めての祭典。一般参列者は入れず、神職ならび氏子総代の関係者のみで行うことに。
祝詞では、人々を不安に陥れている悪疫の祓除と平癒、そして国家国民の安泰安息を願い、一日も早い終息と復興を祈りました。
祭典時間にあわせて来られた方々には、本大祭での集団参拝を取りやめ、個人個人で昇殿参拝をしていただくよう説明。
日々対策状況の変化する中で可能な限りでの対処法ではありましたが、ご参拝の方にも理解して頂けたようで、参拝者同士配慮し合い気兼ねなくゆっくりとお参りできたようです。
そして午後より柴燈護摩供。
英彦山ではめずらしいほどの目映い春の日差しの下、法螺の音とともに入峰します。
山伏たちの入峰作法のひとつ願文奏上は、英彦山にて柴燈護摩を行う主旨を読み上げるというもの。
かねてより英彦山の行者たちは、この山で鎮護国家および万民安寧を祈ってきたという歴史があり、今回の願文では、未曾有の国難に面し、護摩祈祷にて疫病退散、そして艱難辛苦の最中にいる万民を救うといった文言が折りこまれていたのが聞こえてきました。
国安かれ民安かれと平穏無事を乞い願う心は、何時の時代になろうと変わらないものなのでしょう。
そうした祈請が通じたのでしょうか、山伏と参拝者から、煙の流れや火の上がりなど、今回の護摩からは特別な感じがしたという声が。
この世界的に拡がりをみせる疫難に、世界各国宗教宗派を問わず様々な人々が祈りを捧げていることと思います。
いかに科学や文明が進もうとも、人の力が及ばないこともまだまだあるということ。
我々はそれを改めて考え直し、国家間民族間の争いを止め、人類を脅かす病魔に力を合わせて立ち向かってゆかねばならない時なのかも知れません。
一人ひとりの祈りが通じますこと、また一人ひとりの願いが叶いますこと、ご祈念いたします。
この世界規模な疫病問題に面して急遽内容の変更を行いましたが、皆様のご理解とご配慮により滞りなく納めることが出来ましたこと、感謝申し上げます。
また、大祭にご加勢ご協力頂きましたご奉仕者様、関係各位に厚く御礼申し上げます。