本日の高住神社の状況です。
◆曇りときどき晴れ、まれに雪
◆0℃~
神社に「ハート」があるのご存知ですか?
下の写真をご覧ください。ハートが刻まれているでしょう?
彫金細工の凹んだところにこうしたハートが刻まれているのですが、よく観察しないと気づかないと思います。
実はこれ、ハートではなく「猪目(いのめ)」という装飾紋。
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◆猪目(いのめ)
建造物から身近な器物まで広くみられるハート形に似た文様のことで、これが猪の目に似ているところからの呼称。
奈良時代の遺物にみられ、さらに古墳時代の倒卵形鐔にもこの文様があり、最も歴史の古い文様の一つといえよう。
多くの場合、器物や飾り金具の要所に刳り貫き模様とされ、刀装具においても、木瓜形鐔の四方に小透しとして施されることが多い。
小柄の緒通しの穴がこの形とされた例もみられる。
(ネット辞典:weblio刀剣用語より)
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古くは奈良時代、さらにさかのぼり古墳時代の遺物に見られるほど古くからある紋様のようです。
社寺建築には「懸魚(げぎょ)」と呼ばれる破風から垂れる装飾があり、その様式のひとつに猪目懸魚(いのめげぎょ)呼ばれるハートのくり型があしらわれた形があります。
その意味は、猪の目・獣の目による魔除けが込められているとか。
こうした猪目紋様のことを知らなかったのですが、登山家のWさんから教えてもらいまして、いやはや、皆さんの見識の深さに頭が下がる思いです。
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ところで高住神社の参道にハートの石があるのは気づいてましたか?
石の鳥居付近、獅子の口水源へ渡る石橋そばに埋まっています。
以前もブログで紹介したのですが、長崎のグラバー邸にある幸せの「ハートストーン」になぞらえて恋愛成就のパワースポットにしてやろうとたくらんでいたものの、どうも浸透しない・・・軽率な商魂出しちゃダメってことですよね(笑)
まあ、ブームに乗じてハートストーンで売り出すより、元来の魔除けの意味のほうがしっかりと裏づけのある説明ができますし、人目を忍んでひっそりと組み込まれた魔除けの証に知らず知らずに護られていたということで、この石を知っていた方は猪目紋として覚えて、知らなかった方はぜひ見つけてみてください。