3月21日(祝・春分の日)に高住神社の春季大祭・柴燈大護摩修法が執り行われました。
当日は深夜から未明にかけての急激な冷え込みにより雪が降り、辺りは真っ白に。
祭り当日に雪が降るなど誰が予想できたでしょうか。
豊前坊周辺を襲った局所的な雪に、不安を感じながらの幕明けとなりました。
(朝6時頃の様子)
まずは祭りの加勢をしてくれる奉仕者を雪道に悪戦苦闘しながら迎えに行くところから始まり、山伏の先生方も互いに連絡を取りながら乗り合わせてくるなどして豊前坊へ参集。
職員・奉仕者ともに終わりの見えない慌しさに追われながらも神事を全うせねばという気持ちを奮い立たせ、なんとか参拝者が集まり始める頃には準備が整いました。
春季大祭は斎主の一人奉仕。
異例のことなのですが、雪道に関する電話問い合わせが多く、シャトルバス手配と受付応対を他職員で回せるようにと配慮のうえです。
その甲斐もあってか、拝殿が満杯になるほどぞくぞくと参列者が集まり、滞りなく春季大祭を執り納め、少し一段落。
寒い中待って頂いた参拝者には甘酒と豚汁の接待。
胃の腑から温まる熱い汁物に、焚き火にあたりながら美味しいおいしいと顔をほころばせての喜びの声。
裏方のまかないさんがたも作り手冥利に尽きることでしょう。
その頃、山伏さんがたは雪の中で柴燈護摩の準備。
杉丸太と桧葉で組んだ護摩壇に御幣を刺し、祭壇、結界と幣を張り巡らせ準備は万端。
荒天すら彼らにとっては行のひとつ。これしきの雪など畏れるにたらずと聞こえてくるかのように気合十分です。
入峰、法螺三唱。
こだまする法螺の音に固唾を飲み見守る参拝者。
神殿前に行者整列。神官より松明に灯された神火を授かり、一糸乱さず護摩壇へと向かいます。
導師、結界門を一刀にて断つ。
丹田から発する気合とともに断ち斬ります。
時折降る雪も護摩の炎と熱意に押され、たじろぎ気味にぱらつく程度。
懸念していたのをよそに、すべてを白く飲み込んだ雪景色は柴燈護摩を見事に演出してくれました。
参拝者も三月の雪に驚きつつも、静謐さの中で焚かれる護摩に感無量といった様子。
こんな景色は二度とないでしょう。
今日だけの特別な風情。参加できた方々は口々に良い思い出ができたと喜んでいました。
これで今年の春季大祭・柴燈大護摩修法も終了。
若干雪道のトラブルがあったと報告がありましたが、それでも大きな交通事故もなく、はぜた護摩の火で火傷を負った山伏の子も早い処置で症状も軽く済んで安心しました。
豊前坊だけに降った大雪。
初めこそ不安でしたが、終わってみればそれすらも良き思い出に。
この英彦山800Mの山奥に、雪の中、遠路はるばるお越し頂いた皆様に心より御礼申し上げます。
そしてご奉仕に来て頂いた方々、写真撮影などその他ご協力頂いた皆様がたに職員一同衷心より感謝申し上げ、これからも豊前坊のご加護がありますことお祈り申し上げます。
また祭典フォトを後日送ってくれるという方がいらっしゃったので、届き次第載せたいと思います。