芥川龍之介鑑賞 春の句4
水朧ながら落花を浮べけり

夜桜や新内待てば散りかかる
遠火事の覚束なさや花曇り
白木蓮に声を呑んだる雀かな
この頃や戯作三昧花曇り
残雪や墓をめぐれば竜の髯
春返る竹山ならん微茫たる
大風の障子閉しぬ桜餅
陽炎にもみ消されたる蝶々かな
菩薩名は心王と申す春の風
水朧ながら落花を浮べけり

夜桜や新内待てば散りかかる
遠火事の覚束なさや花曇り
白木蓮に声を呑んだる雀かな
この頃や戯作三昧花曇り
残雪や墓をめぐれば竜の髯
春返る竹山ならん微茫たる
大風の障子閉しぬ桜餅
陽炎にもみ消されたる蝶々かな
菩薩名は心王と申す春の風