竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
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傘さしてこの世をへだつ花菖蒲 寺井谷子

2021-06-13 | 今日の季語


傘さしてこの世をへだつ花菖蒲 寺井谷子

中七が全てだろう
作者は何か思い切りたいものを胸に抱いているのだろうか
菖蒲の咲く池のほとり
雨の中 傘をさして現実と乖離したような救いを感じたのだろうか
(小林たけし)


【花菖蒲】 はなしょうぶ(・・シヤウ・・)
◇「白菖蒲」 ◇「黄菖蒲」 ◇「菖蒲園」
シベリア原産のノハナショウブを原種として、観賞用に品種改良された。江戸系、肥後系、伊勢系に分けられ、江戸系は比較的簡素で群生させて鑑賞するものが多い。藍、紫紺、紅紫、白、絞りなどがあり白か薄紫に濃い紫の脈の走るものが特徴。肥後系は花が大きく切花、鉢物に向く。伊勢系は花弁に繊細なひだや折り目がある優しい姿が特徴。ヨーロッパ原産の黄菖蒲もある。

例句 作者

僧形の魚をたどれば花あやめ 岩尾美義
大甕にとしつきの罅花菖蒲 横山房子
影はみな祈りのしぐさ花菖蒲 中村武男
沖からの日照雨となりし花菖蒲 伊野多津男
煽られて浮世ばなれの花菖蒲 三上啓
白菖蒲紫のなか白堪ふ 殿村菟絲子
紙兜かぶりし猫と花菖蒲 金井充
紫は水に映らず花菖蒲 高浜年尾
良き水を生む里に住み花菖蒲 津上清七
花菖蒲傘かしげして行き違ふ 今井游子


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