竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

いざ行かん 雪見にころぶ所まで

2016-12-19 | 芭蕉鑑賞
いざ行かん 雪見にころぶ所まで





名古屋市 法生院(大須観音)


ためつけて雪見にまかるかみこ哉
 
「ためつける」とは、着物の折り目を正しく折ることを言う。
雪の宴に招かれて旅の薄汚い紙子のせめて
折り目だけでも正していこうかと詠んでいる。
招いてくれた主人への挨拶吟。
 
いざ行む雪見にころぶ所まで
 
上の句に続いて、さあ雪見の宴に出かけましょう。
雪に足を取られてすってんころりんと転ぶかもしれないけど。
心浮き立つ雪の宴への期待感を楽しく詠いあげた。
 この句は、
貞亨4年12月3日名古屋の門人夕道(風月堂孫助)亭での
雪見の席が初案で、『真蹟懐紙』では;
  書林風月と聞きしその名もや   さしく覚えて、しばし立ち寄
  りて休らふほどに、雪の降り   出でければ

いざ出でむ雪見にころぶ所まで
    丁卯臘月初、夕道何某に贈る とある。これとは別に、

いざさらば雪見にころぶ所まで(花摘)

があって、これが決定稿となった 。
実際は、離別吟である。
『笈の小文』は第2稿であるが、
句の勢いから言えばこれが最も良いと思われるのだが。。。。


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