残菊に佇ちて返せる歩なりけり 木下夕爾
咲いている残菊にしばらく時を忘れて見入ってしまった
作者はふと思いついたように歩を返したという
歩の用向きを変えたのか、あきらめたのか
作者はそこは読み手に任せていて上手い
(小林たけし)
【残菊】 ざんぎく
◇「残る菊」 ◇「菊残る」 ◇「十日の菊」
秋の末まで咲き残った菊。9月9日の重陽の日は「菊の節句」ともいい、重陽過ぎての菊ということから、盛りを過ぎたあるいは季節はずれの意味を含む。
例句 作者
地に臥してなほ残菊の蕾かな 浅野白山
残菊や日翳りやすきをんな部屋 木下妙子
父の忌の庭を掃くなり残る菊 井本農一
十日の菊なれどと届きみづみづし 能村登四郎
残菊に丸薬を干す小縁かな 巌谷小波
残り菊腹式呼吸するが勝ち 木戸渥子
残菊といふ残菊とおもはねど 片野順子
残菊の波浴びる時青くなる 吉村毬子
残菊や焰灯していつかパリに 上原祥子
残菊や空の奥まで日のさして 櫻井ゆか
地に臥してなほ残菊の蕾かな 浅野白山
残菊や日翳りやすきをんな部屋 木下妙子
父の忌の庭を掃くなり残る菊 井本農一
十日の菊なれどと届きみづみづし 能村登四郎
残菊に丸薬を干す小縁かな 巌谷小波
残り菊腹式呼吸するが勝ち 木戸渥子
残菊といふ残菊とおもはねど 片野順子
残菊の波浴びる時青くなる 吉村毬子
残菊や焰灯していつかパリに 上原祥子
残菊や空の奥まで日のさして 櫻井ゆか
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