温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

女らしさは誰のため? ジェーン・スー 中野伸子著 読了〜正解や最適解を得られずに悩むことが我々の繁栄に寄与したのかも〜

2024-07-13 17:56:42 | 
この本は、カミさんの希望で借りた。ジェーン・スーのTBSラジオ「生活は踊る」は私の愛聴番組である。東京へ行く車の中でラジオクラウドでいつも聴いている。
カミさんの読みたいという要望で借りたのだが、ラジオで興味があったので私も読んでみたら、なかなか興味深いキーワードがいっぱいあった。以下に列記する。

ー中野:「若さ」や「美人」のように、一般的に「得」と世間にみなされているものは、ほとんど長期的には使えない価値なんだよね。
ースー:おっしゃる通り、すべての人類は今日が一番若い。そして明日になると1日分、年を取る。
ー中野:損得というのは必ずしも一元的ではない、金銭的報酬・物理的報酬だけが報酬ではないんです。人間としてどう扱われるか、という社会的報酬、もっとシンプルな感覚的報酬、知的好奇心がみたされる知的報酬もある。
ー「おごられる」ことは相手の支配を受け入れること、中野:私自身は、おごられることはそう好きな方じゃない。ちょっと気が重い・・・・「自己決定権を手放すことことにつながりかねないから」なんだよね。
ー「男ウケ」と「女ウケ」。中野:「加齢による劣化を少しでも感じさせない」ということにいつも心的リソース割かなきゃいけない。・・・・でも女ウケを考えた場合は、価値が目減りしないんですよ。
ースー:保守系の女性政治家って保守的な男性にウケが良いスタイリング、メイク、髪形をしているよね。あの界隈では「男ウケする女」のほうが都合がいいのかな。
ー東大のサークル。中野:飲み会の支払いは「東大男子5000円、女子は1000円、東大女子は3000円」みたいな価値設定になるんです。
ー中野:仕事ができない男の課長はいても、仕事ができない女の課長はいないからね。
ースー:今後は「仕事ができない女性管理職」が爆誕していいんですよ。
ー中野:IQが高いからといって生きやすいわけでも何でもないしね。スー:説得力ある。中野:すごくあるでしょう?(笑)生きづらいですよ、むしろ、でもIQが高いと「ずるい」とか妬まれるのに、コミュニケーション能力がある人は「コミュ力高くてずるい」とは言われないんだよね。
ースー:死ぬまでの間は環境の変化に伴って「私の幸せ」を相対化させていけばいい。「これさえあれば絶対に幸せ」ではなく、幸せな状態を導く手段を変化させていくのです。
(ベティ・L・ハラガンによれば、男性は、子供の頃から個人の利益より集団の利益を重んじるゲーム(野球やサッカーなど)に親しんでいるから)相手に自分を理解させるよりも、互いの利益を減じない方法を採用するのは、彼らの方が得意なのです。
ー中野:「誰かのために生きる」って、恐ろしいことに、実に心地よいことなんだよね。
ー中野:「地球にやさしい生活を」という言葉をよく聞くけど、あれは人類の生存にとって都合の良い「完新世の地球をそのまま保つ」という意味しかないとも言える。だって、地球は別にどんな変化が起きようが何とも思わないでしょうからね。
ー中野:(正解をもとめない)バカロレアはそういう意味で、すごくいいトレーニングになるんじゃないかな、日本人は正解を選ぶ力は世界的に見ても高いはずよ、でも失敗を修正する力は低いかもね。
ー中野:あなたは選んだ答えを正解にできる人だから、と、以前、ある人に言われたことがあった。
ー中野:個性は悪目立ちしてしまうために足を引っ張る特性にもなりかねない、個性を伸ばそう、というお題目は、まあ、まずきれいごとの域を出ないといっていいだろう。
ー中野:ある確率で最適解を選ばないことが、私たちの繁栄のカギであったのなら、今もその性質が私たちの中に残っている理由が明確になる。いわば、私たちは、よく迷い、よく間違えるように仕組まれているということになる。

死ぬまでの間は環境の変化に伴って「私の幸せ」を相対化させていけばいい。「これさえあれば絶対に幸せ」ではなく、幸せな状態を導く手段を変化させていくのです。ーーー絶対的な幸せなんてない。幸せに思うことが大事。
「誰かのために生きる」って、恐ろしいことに、実に心地よいことなんだよね。ーーー安易に誰かのために生きるなんて言わないし、そうしないほうがいい。
「地球にやさしい生活を」という言葉をよく聞くけど、あれは人類の生存にとって都合の良い「完新世の地球をそのまま保つ」という意味しかない。ーーー賛成!!!

私は正解を求めたり、最適解を選ぶ会社生活は心地よくなかった。むしろ、正解や最適解をもとめられず、悩んだおかげで我々は繁栄してきたのかもしれない。!

面白く、興味深い内容の本でした。


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