帚木蓬生著
「花散る里の病棟」
知り合いに勧められた一冊
帚木さん初めて読みました
源氏物語第2帖 「帚木」 + 第15帖 「蓬生」からのペンネームです
1947年福岡県生まれ
東大 仏文科卒業
九大 医学部に進み、今も現役の精神科医
作家と医者の2投流です
この「花散る里の病棟」は10年かけて書き上げ、今年4月27日に刊行
大正から令和まで、4代にわたる医者のお話
大正時代に寄生虫退治で名を挙げた野北保造が初代
2代目 宏一は軍医となり、フィリピン戦線で過酷な医療を体験
3代目 高齢者の居場所を模索する医者
4代目 今、コロナと戦っている若き医者
どの時代でも医者という仕事の過酷さをひしひしと感じさせる作品です
特に2代目の戦時下の体験は、胸が痛くなりました
これがそんなに昔の話ではないのですね
所々に、俳句がはさまれていて、ひりつく気持ちを癒してくれます
時代が行ったり来たりするので、前のページを読み返したりしながら読み進みました
この本、読んで良かったと思いました