「あのぅ。つかぬ事をお伺いしますが、ひょっとして貴方は、昔ここに住まわれていた草壁さんではないでしょうか。」
男性はさわやかだったけれど、私の名を旧姓で呼んだから怪しさは更に深まった。だから私はあえてぶっきらぼうに、
「ええ。そうですけれど、貴方は?」
と、聞き返すと、男性は微笑んで、
「やっぱり! そうでしたか。いえね。面影があったものだから多分そうじゃないかなって思ったんですよ。やっぱり草壁さんでしたか。わたしですよ。私。覚えていませんか? 」
と、答えた。
「そう言われてもわからないしなぁ。」と、心の中でつぶやいたけれど、向こうは私を知っているようだから、知らないを押し通すわけにもいかない。年齢は姉と同じくらいのようであるけれど・・・。と、考えていたら、突然この男性が誰であるのかがわかった。
「あっ!・・・寛太兄ちゃん!!」
「そうそう。寛太兄ちゃん。いやぁ・・・寛太兄ちゃんだって。お恥ずかしい。」
男性は、右手で頭をかきながら少し照れていた。そのしぐさは間違いなく寛太兄ちゃんだ。なんというドラマティックな偶然だろう。私は数十年ぶりの再会におもわず体がのけぞった。
「メイちゃん。久しぶりですね。何年ぶりでしょうか。」
「ええっと・・・。姉が大学に進学したのが昭和42年だから・・・45年ぶり!! もう半世紀じゃん!」
「いやぁ~。もうそんなになりますかぁ。月日の経つのは早いものですね。」
そう言って、ハハハッと笑った顔には沢山のしわが出来ていた。
男性はさわやかだったけれど、私の名を旧姓で呼んだから怪しさは更に深まった。だから私はあえてぶっきらぼうに、
「ええ。そうですけれど、貴方は?」
と、聞き返すと、男性は微笑んで、
「やっぱり! そうでしたか。いえね。面影があったものだから多分そうじゃないかなって思ったんですよ。やっぱり草壁さんでしたか。わたしですよ。私。覚えていませんか? 」
と、答えた。
「そう言われてもわからないしなぁ。」と、心の中でつぶやいたけれど、向こうは私を知っているようだから、知らないを押し通すわけにもいかない。年齢は姉と同じくらいのようであるけれど・・・。と、考えていたら、突然この男性が誰であるのかがわかった。
「あっ!・・・寛太兄ちゃん!!」
「そうそう。寛太兄ちゃん。いやぁ・・・寛太兄ちゃんだって。お恥ずかしい。」
男性は、右手で頭をかきながら少し照れていた。そのしぐさは間違いなく寛太兄ちゃんだ。なんというドラマティックな偶然だろう。私は数十年ぶりの再会におもわず体がのけぞった。
「メイちゃん。久しぶりですね。何年ぶりでしょうか。」
「ええっと・・・。姉が大学に進学したのが昭和42年だから・・・45年ぶり!! もう半世紀じゃん!」
「いやぁ~。もうそんなになりますかぁ。月日の経つのは早いものですね。」
そう言って、ハハハッと笑った顔には沢山のしわが出来ていた。