「あっ、立ち話もなんですからここに掛けませんか? 」
そう言って話かけると、寛太兄ちゃんは少しはにかんで、
「いいんですか? では、少し失礼して。」
と、言って、私の隣に腰を掛け、伐採作業中の大クスを見ながら語りかけてきた。
「・・・実はこの大クス、松之郷の開発計画が持ち上がってから何度も撤去の話がでてたんですよ。」
「えっ、そうなんですか。」
「ええ・・・、でも、松之郷では御神木だったでしょう。だから市の教育委員会の人たちも地元民の気持ちを汲んでくれ、保存する方向で骨を折ってくださったんですよ。おかげで県の天然記念物に指定され伐採されずにすんでたんですが、今年の天候は異常だったでしょう。」
「ええ。」
「やはり、その影響かここでも竜巻が発生しましてね。あの大クスに直撃したんだそうです。それで調査が入りまして、今日に至ったんです。」
「・・・そうだったんですねぇ。」
「ええ。それで。これは、このあたりの人しか知らない話なんですが、その竜巻は大クスを折ったと同時に消えちゃったらしいんですね。」
「へえぇ~。それは不思議ですねぇ。」
その話に感心していると、寛太兄ちゃんは新しい住宅地の方を見ながら、
「ねっ、不思議でしょう。でも、昔からここに住んでいる者は鎮守様のおかげだっては言ってます。こちらの新興住宅の人達は鎮守様の事も知らないみたいですけどね・・・。」
と、言って、苦笑いをした。たしかに大クスは鎮守様でもあったけれど、私にとっては遊び場という思い出しか残っていなかった。
「・・・あの頃はよくあそびましたよねぇ。」
「ええ。毎日が本当に楽しかったですね。」
みんなで大クスによじ登ったこと、松井川へ魚取りに行った事、寛太兄ちゃんの家の田んぼでドロドロになって田植えをした事など、朝から夕方までいっぱい遊んだけで、どれも楽しい思い出ばかりだ。
寛太兄ちゃんと昔話に花が咲き、夢中になっておしゃべりしていると、バキバキッという悲鳴にも似た大きな音が辺り一面に響き渡った。私達は再び大クスを見ると、枝がきれいに払われて幹が露わになっていた。そして重機を操作する人と下で作業する人達が声を掛けあいながら最後の大作業に取り掛かり始めていた。
そう言って話かけると、寛太兄ちゃんは少しはにかんで、
「いいんですか? では、少し失礼して。」
と、言って、私の隣に腰を掛け、伐採作業中の大クスを見ながら語りかけてきた。
「・・・実はこの大クス、松之郷の開発計画が持ち上がってから何度も撤去の話がでてたんですよ。」
「えっ、そうなんですか。」
「ええ・・・、でも、松之郷では御神木だったでしょう。だから市の教育委員会の人たちも地元民の気持ちを汲んでくれ、保存する方向で骨を折ってくださったんですよ。おかげで県の天然記念物に指定され伐採されずにすんでたんですが、今年の天候は異常だったでしょう。」
「ええ。」
「やはり、その影響かここでも竜巻が発生しましてね。あの大クスに直撃したんだそうです。それで調査が入りまして、今日に至ったんです。」
「・・・そうだったんですねぇ。」
「ええ。それで。これは、このあたりの人しか知らない話なんですが、その竜巻は大クスを折ったと同時に消えちゃったらしいんですね。」
「へえぇ~。それは不思議ですねぇ。」
その話に感心していると、寛太兄ちゃんは新しい住宅地の方を見ながら、
「ねっ、不思議でしょう。でも、昔からここに住んでいる者は鎮守様のおかげだっては言ってます。こちらの新興住宅の人達は鎮守様の事も知らないみたいですけどね・・・。」
と、言って、苦笑いをした。たしかに大クスは鎮守様でもあったけれど、私にとっては遊び場という思い出しか残っていなかった。
「・・・あの頃はよくあそびましたよねぇ。」
「ええ。毎日が本当に楽しかったですね。」
みんなで大クスによじ登ったこと、松井川へ魚取りに行った事、寛太兄ちゃんの家の田んぼでドロドロになって田植えをした事など、朝から夕方までいっぱい遊んだけで、どれも楽しい思い出ばかりだ。
寛太兄ちゃんと昔話に花が咲き、夢中になっておしゃべりしていると、バキバキッという悲鳴にも似た大きな音が辺り一面に響き渡った。私達は再び大クスを見ると、枝がきれいに払われて幹が露わになっていた。そして重機を操作する人と下で作業する人達が声を掛けあいながら最後の大作業に取り掛かり始めていた。