かわずの呟き

ヒキガエルになるかアマガエルなるか、それは定かでないが、日々思いついたことを、書きつけてみようと思う

憧れはユーモアのある言葉を紡ぐこと。

2015-07-09 | 気ままなる日々の記録

家内に叱られながらアマゾンで本を買うこと頻り。今では本棚のように並べて文庫と新書で1mは買い込んだ。そんな本の中に「ユーモアのレッスン」(中公新書)もある。そこに紹介されているユーモアある小話を紹介します。勿論ネタを借用して類似品を造ろうという魂胆です。

 例①イギリスで著名な経済学者ケインズ先生のユーモア。イギリス経済が長期にわたって不調でなかなか明るい見通しが立たないとき大勢の新聞記者に取り巻かれて「先生、我が国の将来の見通しはどうですか?」としつっこく尋ねられた時「うーん長期的な将来見通しは」と云って、ここで、咳払いをして「我々は皆死んでいる」と答えたと云います。さすが、ケインズ先生である。

もう一つ。例②ご存知の通り、アメリカはヨーロッパからの移民を多く受け入れて出来上がった国である。ヨーロッパからアメリカへ入植した人たちは宗教的にはプロテスタントであり、耕地を持たない貧しい農民たちであった。これを知っているフランス人がアメリカ人に「可哀そうにアメリカ人は自分の先祖がたった3代先ぐらいしか分からないらしいね。」と云ったそうだ。これを聞いたアメリカ人が「最近ではフランス人は自分の父親が誰だか分からないそうだね」とフランス人をからかったと云います。フランスに見られる性の解放を皮肉ったものである。こういう会話はヨーロッパ人や英国人・米国人はうまい。日本人は最も苦手である。若い人たちに期待しよう。

例③ユーモアに富んだ俳句の例《前述の本より 「秋深し、隣は、小便長き人([詠み人知らず)

解説など不要ですが、一言。「秋深し」とくれば、隣は何をする人ぞ(芭蕉)を連想し秋の情緒漂う言葉が来るかと云う聞き手の期待をひっくり返し、水洗便所でない《汲み取り式)の隣の便所から休み休みの老人性の小便の音が聞こえて来たのでしょう。少し汚いですが、これを読んだときは笑いが止まりませんでした。こんなユーモアのある文章が書きたいものです。

例④女性の生き方を語る講演会で講師の樋口恵子さんが「老婆は一日にしてならず」と云って会場の爆笑を取られたとか。元の格言は「ローマは一日にしてならず」ですが、確かに、老婆も一日にして老婆になったわけではありません。長い彼女の人生が、今の老婆の中に集積しています。その意味で「老婆は一日にしてならず」は名言です。

例⑤イギリスの大宰層相チャーチルさんの話。彼はどんなに多忙でも自分のペースを崩さず日曜日には必ず趣味の絵を描いて凄し,プロはだしの絵を描いたと云います。その彼にある人が、絵を1枚も画かないのに名士だからと云う理由で公募展の審査員をしている人がいますが、そんなこと許されると思いますか?と聞いたといいます。チャーチルは少し考えて「問題ないと思いますよ。私は卵を産んだことは一度もないですけど、卵が腐っていると直ぐ分かりますから。」と答えたと云います。さすがです。