個人的に大好きな和食屋さんがあります。
料理が美味しいのはもちろんん、
目の前で鰹節を削って出汁をとったり、抹茶を点てて下さったりと
見ていて楽しくライブ感もあります。
スタッフの皆様、お若い方ばかりなのですが、
とても感じが良く、お客様と適度な距離感を保ち、
会話をされながら、しっかりと目を配って下さいます。
でも私が最も惹かれるのは、
このお店の大将の心配りと人間性なのです。
このお店、メニューは月替わりで変わりますが、
たまたま月初と月末に家内が二度、お伺いしたことがあります。
お店も猛烈に忙しい中、最初の一皿を出したところで、
「鬼山さんにこのメニューをお出ししたのでは?」
と気づかれ、「本当に申し訳ありません」と
スタッフさんよりお詫びの言葉を頂戴しました。
家内は「全然、大丈夫ですよ」とお返事したのですが、
大将が出てきて下さり、
「すぐ、メニューを変更させていただきます。
いや、変更させて下さい!
全力でやらせていただきます。
この度は本当に申し訳ありません」
とおっしゃって下さり、周囲の方のペースに合わせ、
抜群に美味しい、でも他の方とは異なる料理を出して下さいました。
どれだけ忙しくとも、表情も言葉遣いもおだやかで、
でも的確な指示をスタッフさんに出され、
自身もキビキビと動かれる。
スタッフさんへの注意する際も
言葉遣いは丁寧ですし、愛情を込めておっしゃるので、
お客様の立場からすれば、そこからですら大将の人間性が感じられるのです。
大将の仕事への姿勢や心遣いを拝見させていただいて、
自分の能力面、人間性における至らなさを毎回、勉強させていただいております。
お店を出されてたった1年でミシュランの星を取られたり、
年齢も私より全然お若い中、見事な接客とお味で、
ドンドン予約が取れなくなっております。
毎回、お腹もいっぱいになるのですが、
何より心が満たされて、感動して、
毎回このお店にお伺いすると泣きそうになります。
大将のレベルに少しでも近づけるよう、
自分自身も頑張っていこうと思います。