1996年4月に、私は最初に勤めさせていただいた会社の
北海道旭川営業所に配属されました。
同期で旭川に配属されたのは、3名。
その同期の中に荒井君がいました。
荒井君は、経営者の息子で、
大学時代、ゴルフ部でゴルフもメチャうまい。
で、何よりも男前で爽やかで、
しかもキャラも非常に良いんです。
老若男女、誰からも好かれる感じ。
荒井君と一緒にお客様のところに行くと、
お客様は荒井君が面白いし魅力的なのか、
ずっと荒井君と話してばかりで、
私の存在など何も感じないくらい、
荒井君は魅力的でした。
私も学生時代、テニスのインストラクターとして
テニスクラブの正社員のコーチよりも
生徒さんを多く受け持っていて、
そのテニスクラブでは結構な人気コーチで、
それなりにキャラに自信があった私ですが、
サッシ屋の社長や工務店の社長相手に、
荒井君には全く歯が立たなかったのです。
世の中、上には上がいる、と現実を突きつけられました。
(↑社会人1年目の小っちゃい世界の話ですが・・・)
そして荒井君に全くかなわない中、
半年で私は北見営業所に転勤となりましたが、
その北見にも2年先輩の鹿島さんという方がいて、
その鹿島さん、まだ20代なのに
年上のお客様にメチャ信頼されていて、
仕事もバリバリできるのです。
真面目で誠実で、責任感も強い。
荒井君のような愛されキャラでは無いのですが、
とにかく誠実で真面目。
この路線でコツコツと勉強して成長すれば、
自分もお客様から必要としていただけるかもしれない、と思い、
鹿島さんの仕事のスタイルをまずは100%真似て、
自分なりに頑張りました。
(ちなみに、鹿島さんも経営者の息子さんでした)
そして鹿島さんが函館に転勤となり、
鹿島さんの主要得意先を
私が担当させていただくことになりました。
鹿島さんはすごい真面目な方でお客様に信頼されていましたが
真面目過ぎる感じでした。
一方、旭川の同期の荒井君にはかないませんが、
私自身、お客様にはそこそこ可愛がっていただけるキャラではありました。
真面目で誠実という視点で見た場合、
私は鹿島さんの70%くらいのレベル。
そこそこ笑いが取れて、お客様に可愛がられる、
という切り口では、私は荒井君の50%くらいのレベル。
でもこの2名の特徴を併せ持った営業マンはあまりいない、
と自分なりに分析し、この路線の営業マンでいく、と決断。
真面目で誠実、かつちょっと面白いキャラの営業マンとして活動していくと
手応えを感じてきました。
更にこの頃から自分独自の強みをつくるため、
経営や営業などについて勉強しようと決断しました。
月に2万円、本を購入する。
本で学んだことを実践する。
そして北見で4年半、仕事をしている中で、
同期の荒井君は旭川で大活躍していました。
その荒井君が実家を継ぐため退社することになり、
荒井君の仕事を引き継げるのは私しかいない、
という判断となり、私が再び旭川に戻ることに・・・。
引継ぎの時も、本当に荒井君はお客様に愛されていることを感じ、
荒井君とは違う点でお客様のお役に立てる営業マンになろう、
と決断し、お客様を引き継がせていただきました。
同期に荒井君がもし存在していなかったら、
私はおそらく20代で本を読み漁り、
ビジネスのことを勉強する、なんて選択をしなかったと思います。
それなりにを笑いが取れるキャラで、
大して努力もせず、40代50代となり、
パッとしないサラリーマン人生だったかもしれません。
同期に荒井君という、すごいキャラのライバルが居たおかげで、
荒井君にはない部分の強みをつくろうと思えたのです。
皆さんの周囲にも、すごい先輩やすごい同期がいるかと思います。
でもすごいライバルが居るおかげで、
自分自身は何を強みにすればよいのか、
考える良い機会をいただけますし、
努力ができるのです。
圧倒的に勝てないライバルは、ありがたいのです。