住宅会社は、あらゆる業界の中で、
守備範囲が最も広い業態です。
例えば、スーパーとかコンビニだと、
売っている商品はメーカーが開発したり、
商社のバイヤーが各地から引っ張ってきたものを
店頭に並べて販売する訳です。
商品の製造に関しては、
外部の業者さんが対応しているので、
自分たちの守備範囲としては、
店舗をつくり、商品を並べて販売するところまでです。
(PB商品などは企画までやりますが、
でも製造は外部のメーカーにしてもらっています)
製造メーカーさんは、商品企画や原材料の仕入れ、
品質管理・原価管理などは行いますが、
小売店への営業は問屋さんや商社さんに依頼し
エンドユーザーへの販売は小売店に依頼します。
企画・材料仕入れ・製造・品質管理・納期管理が
主な守備範囲となるのです。
ところが、住宅会社の場合、
マーケティング・営業・商品企画・商品設計・仕入れ・積算・製造・
品質管理・アフターメンテナンスという感じで、
商品の企画から製造・販売・アフターメンテと
他の業種に比べると本当に守備範囲合が広いのですね。
ユニクロさんやニトリさんのように、
いわゆる製造小売業(SPA)なのが、
住宅会社なのです。
そしてユニクロさんやニトリさんなどの小売業と異なり、
商品をお引渡しをした後のメンテナンスも
ずっとやっていかなくてはならない
一企業としての業務の守備範囲が広い住宅会社。
更に一般の消費者にとって、最も高額であり、
お客様の人生を左右する家を扱う住宅会社。
その自覚を持ち、責任が取れる範囲で
堅実な事業展開をしている住宅会社は、信用できます。
ところが、ちゃんとした品質管理ができていないのに、
無責任に商売の範囲を広げまくっている住宅会社が
現実に存在しているのも事実なのです。
「成長率 業界ナンバー1」というようなコピーを
そういう会社は使っていたりするのです。
住宅の建築の何が難しいかと言うと、
機械化できる部分が本当に小さく、
あれだけ大きな製品なのにミリ単位の施工精度が必要、
という部分に尽きます。
各工程ごとに正しく施工されているかを厳しくチェックし、
次のステップに進んでいかないとダメなのですが、
無責任な出店を繰り返している住宅会社や、
中には大手ハウスメーカーであっても
このチェック体制がマニュアル通り回っていない会社も
恥ずかしながら業界内には存在するのです。
大手だから安心、という発想を
情弱老人たちは持っていますが、
会社の規模でもなく、営業マンのトークでもなく、
その会社の経営方針や姿勢をチェックしなければ、
信頼できる会社かどうかは見抜けないのです。
こういうこともエンドユーザーに対し、発信していかないと、と思っています。