日産とホンダの経営統合が破断となり、
特に日産が経営的に苦しいと言われていますが、
その理由を分かりやすく説明してくれている、
PIVOTの動画があり、先日見ておりました。
とても分かりやすく、非常に勉強になりました。
実際、日産の苦戦の最大の要因は、
世界での販売台数の低下です。
どれくらい、販売台数が下がっているのかというと、
ピークが577万台なのに対し、
直近は340万台しかうれていないのです。
わずか6年で41.1%も販売台数が落ちてしまった。
ところが、売上台数の落ち込みに対し、
売上高はそれほど落ちていなく、
決算内容もそこまで悪化していないのです。
その理由は、お分かりですね。
急激な円安による恩恵があったおかげで、
売上は販売台数ほど下落しなかった、
ということなのです。
ではなぜ日産の車は売れなくなったのか?
一言で言えば、ゴーンの時代から
ヒット車を生むことが出来ていなかった、
と言えるかもしれません。
更にハイブリッドではトヨタに歯が立たないので、
電動化に舵を切ったのですが、
それが現時点では裏目に出てしまっている、
ということかもしれません。
私が見たこの動画で最も印象に残っているのは、
「自動車メーカーの今の業績は、
10~20年前に打った戦略が反映している。
ということは、今、日産が何か手を打ったとしても、
その回収が10~20年後になる訳で、
そこまで会社が持つか?」
ということでした。
この内容は、経営者が絶対に
おさえておかなくてはならないポイントで、
業種によりますが、今手を打ったことが
キャッシュに変わるのは数年後~数十年後、
ということです。
車などの場合、各国の政策を予想し、
各国の基準をクリアする製品を企画する。
そして試作品をつくり、
そこで基準をクリアするまで実験を繰り返し、
基準をクリアする。
もちろん、製造ラインをつくったり、
その新たな企画で部品のサプライチェーンを構築したりと
新技術が搭載された新商品を開発してから
販売するまでに、10年以上の年月が必要かと思います。
だから、今が苦しいというよりも、
これから手を打ったとして、
それがヒットしたとしても回収するのに
かなりの年月がかかることが苦しいのでしょう。
今、順調だからといって、
「これでいいのだ」(←バカボンパパ風)と
手を打たなくなると、
そのツケは、数年後に己に返ってくるのです。
順調な時でも油断せず、常に未来に対して手を打ちたいですね。