鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第5093回】 ヒートショックのこわさ

2024年12月09日 | 住宅コンサルタントとして
私たち団塊ジュニア世代にとって
アイドルだった中山美穂さんが
ご自宅の浴室で亡くなられた、という
悲しいことがありました。

冬場、気温が一気に下がった時の入浴時は、
本当に気をつける必要があるのです。

芸能人もヒートショックが原因で
浴室内でお亡くなりになった方が結構多いのです。

野村克也監督、白川由美さん、平幹二郎さんも
冬場、ご自宅の浴室内でお亡くなりになっていたそうです。

ここ最近、夕方から夜21時頃の時間、
耳をすませば、救急車のサイレンが
1日に何度も鳴っていることに
皆さん、お気づきでしょうか?

毎年この時期になると、私はサイレンの音に敏感になります。

昨日の夜、私は青森から帰ってきたのですが、
昨日の夜だけで我が家の近所で
救急車のサイレンは3回、鳴っていました。

なぜ、この時期に浴室内事故が多発するのか?

それは体がまだ寒さに慣れていないことに加え、
リビングと脱衣室・浴室内の温度差が大きいのです。

これは、浴室(ユニットバス)と脱衣室の
取り合い部分の断熱と気密に関して、正しい知識があり、
正しい施工ができる住宅会社や設備屋さんが少ないことで
どうしても冬場の脱衣室や浴室内が寒くなってしまう、
というケースが多いと思います。

基礎断熱工法を採用している場合であれば、
この問題は起こりづらいのですが、
床断熱工法を採用している住宅の場合、
どうしても浴室周辺には給水管・給湯菅。排水管が走るのですが、
これらが断熱・気密ラインを貫通する際の断熱気密処理を
設備職人さんがちゃんとやらないと、
冬の冷気の影響を浴室内や脱衣室内が受けてしまうのです。
(ちょっと専門的過ぎますね)

だから本当に住宅会社側の断熱・気密に対する知識の深さ、
それから設備職人さんの施工力と知識の深さ、
更には住宅会社側のチェック体制が重要となってきます。

まあ私が昔から基礎断熱を推奨しているのは、
浴室内の寒さを防げることも理由の一つではあるのですが・・・。

まだまだ日本の住宅のレベルは低く、
断熱や気密の知識が不十分の住宅会社も多いのです。

お客様が毎日楽しく、快適に過ごしていくには、
デザインも性能も、両方大切です。

両方を兼ね備えた住宅会社が1社でも多く増えるよう、
私自身もできることをやっていきたいと思います。

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