鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4712回】 プロ経営者のような経営はしない

2023年11月24日 | 住宅コンサルタントとして

たまたまYouTubeで経済番組を見ていたのですが、

そこで登場しているコメンテーターの方たちが、

 

「プロ経営者で成功した人なんて、

アサヒビールを再建した樋口廣太郎さんくらい」

 

※樋口廣太郎氏=社長在任中にスーパードライを発売し、

アサヒビールの経営を立て直した経営者

 

「プロ経営者は、自分が就任している間の

自分の価値を高めるプロ」

 

と、かなり毒のある表現で論じておられました。

 

いろんな会社のオーナーから請われ、

会社を転々と移りながら、

3~5年で会社の業績を改善し、

財務を良くしたり株価を高めたりしながら、

また次の企業に移っていく。

 

そのプロ経営者が在任中は業績が良くなり、

経営を立て直したかに見えるのですが、

そのプロ経営者が去った後に化けの皮が剥がれたり、

もしくは数年で去るべきところを長く社長として在籍し、

結果、ボロが出てしまう、と

評論家の方たちはプロ経営者を一刀両断していました。

 

そういうプロ経営者の代表ともいえるのが、

日産のカルロスゴーンと

マクドナルドの原田泳幸さんだともおっしゃっていました。

 

確かに経営者として最後の方は、

特にマクドナルドは業績が悪化していましたね。

 

会社のB/Sを良くし、収益を一時的に高めるために、

在庫量を減らし、本来は売ってはいけないものまで売り、

固定費を圧縮するためにリストラを進め、

直営からフランチャイズの比率を一気に高めたりするのですが、

プロ経営者は、が退任した後、

稼ぐための手を打ってなく、金のなる木が無いため、

その後を継いだ経営陣は、苦戦するとのこと。

 

確かに、と感心しながら見ていました。

 

私が最初に就職させていただいた会社も、

プロ経営者を雇用し、海外進出を強化しましたが、

結果、大失敗となっていますし、

今もプロ経営者に経営をゆだねていますが、

その方も自分の価値を高めることに熱心で

自分が退任した後のことなんて知らねえ、

という感じがしています。

 

自分が在任中のことしか、

自分の評価しか考えずに経営すれば、

そりゃ、どんな会社でもおかしくなりますよね?

 

経営とはどこを見てしなくてはいけないことなのか?

 

それはお客様・市場に尽きます。

 

そしてはっきりとは見えない、10年20年先を見据え、

新しい事業・新しい商品サービスを開発したり、

若い人を採用し、育成しながら強い組織をつくる。

 

それこそが経営の本質です。

 

目先の数字や目先のB/Sを見ていたら、

そんな本質的な経営など難しいに決まっています。

 

経営の本質を理解した経営者をつくっていき、

事業継承をしっかりとしていきたいですね。


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