たまたまYouTubeで経済番組を見ていたのですが、
そこで登場しているコメンテーターの方たちが、
「プロ経営者で成功した人なんて、
アサヒビールを再建した樋口廣太郎さんくらい」
※樋口廣太郎氏=社長在任中にスーパードライを発売し、
アサヒビールの経営を立て直した経営者
「プロ経営者は、自分が就任している間の
自分の価値を高めるプロ」
と、かなり毒のある表現で論じておられました。
いろんな会社のオーナーから請われ、
会社を転々と移りながら、
3~5年で会社の業績を改善し、
財務を良くしたり株価を高めたりしながら、
また次の企業に移っていく。
そのプロ経営者が在任中は業績が良くなり、
経営を立て直したかに見えるのですが、
そのプロ経営者が去った後に化けの皮が剥がれたり、
もしくは数年で去るべきところを長く社長として在籍し、
結果、ボロが出てしまう、と
評論家の方たちはプロ経営者を一刀両断していました。
そういうプロ経営者の代表ともいえるのが、
日産のカルロスゴーンと
マクドナルドの原田泳幸さんだともおっしゃっていました。
確かに経営者として最後の方は、
特にマクドナルドは業績が悪化していましたね。
会社のB/Sを良くし、収益を一時的に高めるために、
在庫量を減らし、本来は売ってはいけないものまで売り、
固定費を圧縮するためにリストラを進め、
直営からフランチャイズの比率を一気に高めたりするのですが、
プロ経営者は、が退任した後、
稼ぐための手を打ってなく、金のなる木が無いため、
その後を継いだ経営陣は、苦戦するとのこと。
確かに、と感心しながら見ていました。
私が最初に就職させていただいた会社も、
プロ経営者を雇用し、海外進出を強化しましたが、
結果、大失敗となっていますし、
今もプロ経営者に経営をゆだねていますが、
その方も自分の価値を高めることに熱心で
自分が退任した後のことなんて知らねえ、
という感じがしています。
自分が在任中のことしか、
自分の評価しか考えずに経営すれば、
そりゃ、どんな会社でもおかしくなりますよね?
経営とはどこを見てしなくてはいけないことなのか?
それはお客様・市場に尽きます。
そしてはっきりとは見えない、10年20年先を見据え、
新しい事業・新しい商品サービスを開発したり、
若い人を採用し、育成しながら強い組織をつくる。
それこそが経営の本質です。
目先の数字や目先のB/Sを見ていたら、
そんな本質的な経営など難しいに決まっています。
経営の本質を理解した経営者をつくっていき、
事業継承をしっかりとしていきたいですね。