長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

事上磨練

2011-10-20 08:25:57 | Weblog
先週の日曜日にシャンソン歌手のえりさんが、蕎麦を食べにきた。
「今日は歩いてきた」というので、「錦糸町から?」と聞いたら
「大塚から」とのこと。一時間半できたというから、なかなかの「足」だ。
彼女が帰るときに、「Kさんは元気ですか?」ときくと、「肝臓ガンに
なったけど、退院して元気です」とのこと。
そこで昨日は、押上から大塚へ歩いていこうと思い、「論語の会」
の準備を終え、歩き始めた。体力には自信があるが、先天的な方向音痴
なので、途中で断念。
前の天真庵は、上池袋にあった。一番近い駅はJR板橋駅。池袋から
埼京線でひとつめ。でも便利なのは、山手線の大塚を利用したほうが
よかったので、界隈には「江戸一」をはじめとして、いきなれた店が
多い。

Kさんは、K不動産の社長だ。ぼくが主催していた「無門塾」という
勉強会によくこれれていた。また反対に彼の「なんとなく酒を飲む会」
という会にもよく参加した。大分の日田出身なので、秋には、大分の焼酎に
「かぼす」をしぼって飲む、のがならわしだった。
一度彼の故郷、大分日田の中津江村にお邪魔したことがある。
彼の幼馴染が釣ってきたアユを炭火で焼いて、ビールを飲んだ。
「トイレは?」ときくと、「男は前の畑でタッションするのが、ここの
おきてバイ」ときた。久しぶりにタッションしていると、不思議な幸福感が
ただよってきた。おいとまする時に見た夜空の星のまたたきは、半世紀
生きてきた中で一番きれいな星だった。

そして昨日、大塚について、Kさんの携帯に電話したら、「今、九州に
いる。かぼすをとったんで、飲みにこん?」とのこと。78歳になり、肝臓ガン
になったけど、毎月のように日田に帰り、田舎暮らしを楽しんでおられる。
人生の達人である。来年は、えりさんの歌をききながら、いっしょに酒を
飲みたいと思う。

夜の「論語の会」の時に、松田先生が、故・岡田武彦先生(元・九州大学
教授)の揮毫した「時上磨練」をくれた。
陽明学の王陽明の言葉。
「机上の空論ではダメだ」、ということだ。毎日毎日くりかえされる
「日常」の中に学びがあり、「哲」があるんだよ、ということだろう。
今の政治化たちに、聞かせたい言葉だ。
先生の晩年に、渋谷で酒を汲み返しながら、話た内容でもある。
ひとりの人物と出会うことは、百冊の本を読むよりも、有意義
なことだ。
月に一度の「順受の会」(論語の会) うちのお店以上に
入りにくい会だけど、基本的には「大道無門」。
こころざしさへあれば、門などどこにもない。ただ入って
くればいい。


22日~23日と浅草寺観音様の境内で
お借りして「福島復興祭」が開催されます。
ぜひみなさん、ふるってご参加ください!

天真庵では22日と23日は「故・野村富造さんの遺作展」
京都のろうけつ染めを楽しましてくれたトムさんを偲んで
21日の夜は、かよちゃんたちが「バロックコンサート」
をやってくれる。

演奏:大川香織(ピアノ)・渡辺佳代子(オーボエ)・古寺 由希子(ファゴット)
19時開場 19時半開演
¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)

31日は、国貞雅子とゲルシーの「ねっと31 ジャズライブ」