今日と明日、やる。
昨日は前夜祭。ろうけつ染めの作家、野村富造さんが、3月19日に
昇華された。生前から「死ぬまでやらせてな」といわれ、「ええよ」
と約束していた。3月のはじめに、念願のギャラリーをアトリエに併設し、
昔よく京都のジャズ喫茶においてあったJBLのごっつ大きなスピーカで、
大好きなジャズを聴いていたらしいけど、わずか20日間で、天国へ引っ越された。
「いらち」な人でもあった。
池袋の天真庵で、南條先生の寒山拾得をやっている時、京都の陶芸家が
野村さんをつれてきはった。陶芸家も代々絵かきの家系で、自然や草木などを
さらさらと気負いなく描いたけど、野村さんの絵も、ひとをにこっと、させるような
絵だった。そんな縁でそれから毎年秋に天真庵で「染めもん展」をやることになった。
京都がいやになって東京に移り住み、しばらく上洛してなかったけど、ひょんなことから、毎年何度も京都にいくようになった。
西陣界隈を散策するおもろさを教えてもらったのも、トムさんのお陰だ。
遺作が二階に並んだ。彼のろうけつ染めのネクタイは、ぼくの戦闘モード
の時によく結んだ。紺色のスーツに、よく似合う。普段はすこし派手かな、
と遠慮しがちな気分になるが、「よし」と気合がはった時は、いつもそれを
身につけて武装した。不思議なものだ。今の仕事になって、スーツもネクタイもそれを
入れていたタンスも処分したけど、そのネクタイは何枚か残している。
5年くらい前に、着物と袴をつくってもらった。「これは、ぼくが煎茶の
正教授になった時にきて、玉露をいれさせてもらうわ」と約束したものだ。
来年の春に、それを着て、家元の前で玉露を入れる予定にしている。一度
上洛して、「献茶」をさせていただこう。
昨日は、追悼コンサート。昨年と同様、かよちゃんがオーボエを演奏してくれた。
トムさんはジャズも好きだったけど、クラシック、なかでもとりわけオーボエが
好きだった。お母様がやっていたらしい。音楽は人間の悲しさを表現したものだが、
そこが琴線に触れるというか、生きている命と死んでいった命の波動を共鳴させる
ようなものがある。だからぜったいに、ライブがいい。
昨日は「天国の野村さんにささげる曲です」と、ニールセンのロマンスを
演奏してくれた。すこしさみしい秋雨が涙雨に感じられ、こころに染みた。
「ぼくが死んだ時は、シューマンの3つのロマンスにしてくれる」とかよちゃん
に頼んだ。
今日と明日、14時から20時まで、「追悼展」
時間が、池袋時代と変わっていないのが、とむさん流。
やはり「いらち」な性分なのだろう。気骨のある京都人が
またひとりいなくなった。鎮魂。
昨日は前夜祭。ろうけつ染めの作家、野村富造さんが、3月19日に
昇華された。生前から「死ぬまでやらせてな」といわれ、「ええよ」
と約束していた。3月のはじめに、念願のギャラリーをアトリエに併設し、
昔よく京都のジャズ喫茶においてあったJBLのごっつ大きなスピーカで、
大好きなジャズを聴いていたらしいけど、わずか20日間で、天国へ引っ越された。
「いらち」な人でもあった。
池袋の天真庵で、南條先生の寒山拾得をやっている時、京都の陶芸家が
野村さんをつれてきはった。陶芸家も代々絵かきの家系で、自然や草木などを
さらさらと気負いなく描いたけど、野村さんの絵も、ひとをにこっと、させるような
絵だった。そんな縁でそれから毎年秋に天真庵で「染めもん展」をやることになった。
京都がいやになって東京に移り住み、しばらく上洛してなかったけど、ひょんなことから、毎年何度も京都にいくようになった。
西陣界隈を散策するおもろさを教えてもらったのも、トムさんのお陰だ。
遺作が二階に並んだ。彼のろうけつ染めのネクタイは、ぼくの戦闘モード
の時によく結んだ。紺色のスーツに、よく似合う。普段はすこし派手かな、
と遠慮しがちな気分になるが、「よし」と気合がはった時は、いつもそれを
身につけて武装した。不思議なものだ。今の仕事になって、スーツもネクタイもそれを
入れていたタンスも処分したけど、そのネクタイは何枚か残している。
5年くらい前に、着物と袴をつくってもらった。「これは、ぼくが煎茶の
正教授になった時にきて、玉露をいれさせてもらうわ」と約束したものだ。
来年の春に、それを着て、家元の前で玉露を入れる予定にしている。一度
上洛して、「献茶」をさせていただこう。
昨日は、追悼コンサート。昨年と同様、かよちゃんがオーボエを演奏してくれた。
トムさんはジャズも好きだったけど、クラシック、なかでもとりわけオーボエが
好きだった。お母様がやっていたらしい。音楽は人間の悲しさを表現したものだが、
そこが琴線に触れるというか、生きている命と死んでいった命の波動を共鳴させる
ようなものがある。だからぜったいに、ライブがいい。
昨日は「天国の野村さんにささげる曲です」と、ニールセンのロマンスを
演奏してくれた。すこしさみしい秋雨が涙雨に感じられ、こころに染みた。
「ぼくが死んだ時は、シューマンの3つのロマンスにしてくれる」とかよちゃん
に頼んだ。
今日と明日、14時から20時まで、「追悼展」
時間が、池袋時代と変わっていないのが、とむさん流。
やはり「いらち」な性分なのだろう。気骨のある京都人が
またひとりいなくなった。鎮魂。