長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

こんにゃくのサイコロステーキ

2013-03-13 08:18:24 | Weblog
最近、よくつくる。
水曜日、木曜日の休みに田舎にいって野菜とか卵とかといっしょに、
枝物の花や、手作りのこんにゃくなどを調達する。
そのこんにゃくは、少し隠し包丁を入れ、さいころのように、四角にきり、
出汁を唐辛子などで甘辛煮にして、3・4回くらい煮てさます。
それだけ。こんにゃくは、いろいろな料理の隠し味というか、くにゃという
歯ごたえを楽しむもんだけど、最初に煮含ませることが肝心。
これをカレーに入れると、普茶料理みたいな精進カレーになる。

きのうは、桧原村で仕入れてきた「のらぼう菜」をお浸しにした。
たっぷりのお湯を炊き、そこに「のらぼう」を入れる。ほうれんそう、小松菜
でやってもいい。指を入れ、露天風呂より少し熱め、50度くらいにして、ゆっくり
入浴させるような塩梅。冬に素敵な子と混浴にしてるような気分でいると、野菜も
こころなしか艶っぽくなる。それを水で流しながらしめる。根っこがついた野菜、しかも
田舎で調達したり、自分でつくる野菜はそうすることによって、土が落ちる。
それをしぼって、適当な大きさに切り、出汁に、きざみのりを入れひと煮たちさせ、最後にちょこっと柚子胡椒を入れ、
ぶっかける。春の野菜の渋みと、磯の香りがうまく融合して、幸せな酒肴が一品できあがる。
そばにも「花まき」といって、汁そばにのりをちりばめるものが昔からある。どんぶりに蓋をして供され、その蓋
をとった時にのりと出汁の香りがたまらない。香りで一合飲める、くらいうまい。

今日明日は、午前中が「卒啄珈琲塾」午後が「無茶しぃの会」
プロの人たちも熱心に通ってくる。いっしょに、「今」の時代に
ふさわしい「喫茶去」の精神を考えながら、愉快にまた真剣に、珈琲
やお茶と対峙する日。卒啄、悟りの瞬間を毎回感じたり、遠ざかったり。
刹那というのは永遠の入り口であるはずなんだが・・