長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

命がけでやらんとね、なんでも。

2012-08-31 08:23:35 | Weblog
夜逃げのような里帰り、から昨日もどってきた。
約30年、毎年最低2回、車で九州まで帰る。
30年前は、今より30歳も若かったので、帰る
時に近くの薬局で眠気覚ましの「モカ」なる危うげなドリンクを
買って、若さにまかせて、つっぱしって帰っていた。でも当時
は中国自動車道が対面だったので、岡山から広島あたりが、もたもた
しながら走った。冷房が壊れたオンボロ車で帰っていたので、トンネル
の中がつらかった思い出がある。でも若いというのは、苦しい字に似て
るわ、ではないが、今ではいい思い出。

ギャラリーをはじめてからは、陶芸家や骨董屋や、珈琲屋や、染色家や・・・いろいろな知人の家
に立ち寄りながら帰るようになった。ロハス、ではないけど、ゆっくり時間をかけて旅ができる
余裕みたいなものができた。オンボロ車が「ボロボ」のワゴンに変わり、元気が旅の道ずれになり、宿
が見つからないない時は、車の後ろでゆっくり寝ながらの放浪旅。

最近は、寄る年波旅?福岡の両親が80を超え、お墓がある宮崎までいくのがおっくう
になってきたので、大阪から船で鹿児島の志布志までいき、延岡までいって墓参り
をした後、大分か熊本経由で福岡へかえる。

幼いころ、夏休みに宮崎にいくには、小倉から急行にのって6時間くらいかかっていた。
高速道路ができて、今では4時間くらいでいける。
飛行機をつかえば、東京から宮崎まで2時間くらいでいける。
でも、あれでいくと、点と点を結ぶような、朝した焙煎の香りを残したまま宮崎に到着、
みたいな味気なさがある。やはり人生みたいに、茨の道やのぼり坂、下り坂を経験
しながら、いろいろな景色や人や風俗にふれあいながら、旅するほうが、時間はかかるが、
満足度が違う。

帰りも3泊しながら東京に昨日もどってきた。最後の拠点は、長野の山奥の寒村の宿。
東京が35度の日の朝、うそ(鳥の名)の鳴き声などを聴きながら朝食をとっていると、
16度やった。ウソみたい!に快適。

そこの宿で読んだ本に、巌本真理さんのことが書かれていた。
東京大空襲の日、実家の巣鴨で空襲にあい、家も焼けたのに、大事に焼けないように空襲から守ったヴァイオリン
をかかえ、翌日に日比谷音楽堂まで歩いていき、コンサートをやった、という伝説の音楽家。
しかも、着るものが燃えたので、お父様のズボンをはいたいったらしい。それに、そんな「まさかの坂」
みたいな翌日に、彼女の演奏を聴きにいった日本人があまたいた、というのが、いい。
これから、戦時中みたいな世の中になると思うけど、そんな気骨を持っていたいと思う。

昨日はかえってきてすぐに、門中天井ホールにいく。山根さんのクラリネットと、フランスで活躍しているソプラノ
歌手の林千恵子さんが、素敵なコンサートをやってくれた。人間の手というのは、いろいろな楽器をつくったり、演奏したり
、融通無碍なまんだらだなあ、と関心することが多いけど、彼女の歌声を聴いていたら、人間の肉体そのものが楽器になるんだ
と痛感した。もちろん、そこに魂がこもってこそ、音楽になるんだけど・・

終わった後、山根さんたちと、門中の不思議な居酒屋で打ち上げ。「すもものピザ」と、きずし(しめさば)と、
焼酎がおいしいお店。店の名前はわすれたけど、地図がなんとなくわかるうちに、もう一度いきたいお店。
山根さんたちN響は、今日から中国公演。日中関係は微妙な時だけど、彼らは命がけで、潤滑油みたいな役割
をしにいく。音楽家たちは、みな命がけ。
でもよくよく考えてみたら、どんな仕事も、命がけ、みたいな本気モードにならないと、魂が入らないし、
人に感動なんか与えるレベルにならない。

今日はお店は休み。でも5時から蕎麦を打ち、焙煎。19時から「国貞雅子」がやってきてライブをやる。4000円
昨日はアルフィーでライブ。50人があの狭い店にきたらしい。
いよいよ出番。新しいCDも楽しみだ。

明日から平常営業。

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