長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

もみじ

2009-08-21 06:08:06 | Weblog
昨日の昼は、銀座のはずれにあるうらぶれたそばやで食べた。
といっても、知る人ぞ知る蕎麦屋で、以前はよく食べにいったものだ。
さすがに不景気になったので、玄関においてあるイスまでは、座って
いないけど、あいかわらず昼間からお客が楽しそうに、お酒を飲んだり、
蕎麦を手繰っている。長い時間をかけて自然と老舗になった、といった風情。

まず、えびすビール(しかおいていない)の中瓶でのどを潤す。
つまみは、湯上り美人(えだまめ)。料亭でよくでてくる薄手のグラス
で飲むと、ひときわ美味い。ひとりで飲んでいても、目の前に湯上り美人がいる?
なかなか愉快な命名をしたもんだ。
ここは、地酒も充実している。冷蔵庫に各地の地酒が冷えていて、そこに
値札がついてある。一合の値段。うちでも人気の上喜元に「1000」
と書いてある。
着物をきた女将に「上喜元と玉子焼き」を注文。
そばやの玉子焼きは、かえしや出汁をつかうので、すし屋の甘いのは
違って、酒肴として最高。でもときどきは、甘いのもいいが・・
つぎに「だっさい」を頼む。このお店は「焼きのり」を所望すると、
漆の箱に、炭を入れて、でてくる。一枚とっては、また蓋をして、
パリパリの状態を保ちながら、酒を飲む。その「間」がなんともいいのだ。
最初にきたころは、なんとなく大人になった、そんな気がしたものだ。
次は「三千盛」を頼む。とろろを頼むと、ふわふわのがでてくる。おろしがね
ではなく、すり鉢の中でゆっくり時間をかけておろしている。そのへんの
気遣い、というか、こだわりがとてもいい。
最後にせいろを手繰る。一枚1200円。銀座の蕎麦屋の標準的な値段。
これで、約7000円也。
少し贅沢な昼ごはんだけど、蕎麦屋でいっぱいやると、体中が「しあわせ」
に満たされる。

夕方は、奥戸園に植木を買いにいく。
なかなかいい枝ぶりのもみじがあったので、買ってきて、
織部灯篭の後ろにすえる。(落葉してからのほうが、土になじむらしい)
もうすぐ秋。

裏を見せ 表を見せ 散るもみじ

選挙の季節でもあるけど、政治家も人間もかくありたいものだ。



かっぽれ

2009-08-20 08:26:33 | Weblog
昨日はかっぽれ。
相方が、いつものようにちょっとはやめにやってきて、
ビールを飲む。少し酩酊しないと、「はいれない」、というか
バカになれない。相方は早稲田の政経出身。エリートコースを
邁進?していたけど、思うことあって、野に下ったひとだ。

今は「深川」をやっている。ぼうさんが、頬かむりをして、吉原へ
かよう、というストーリー。相方は人相も、生き方も飄々とした
ぼうさんみたいな感じなので、この踊りはライフワークになるのではないかと
思う。秋には仕上げて、今年の忘年会あたりには、初舞台になるのでは?
と意気込んでいる。

今日はお休み。
お茶のお稽古も今週はお休みなので、
今日は「銀座の七不思議」のひとつにあげられる、妙な骨董やを
覗いてみようと思う。

金曜日は、「三丁目のジャズ」。
またニューヨークのカウントベーシーオーケストラで
活躍しているジャズマンがやってくる。
残念ながら、今回もすでに満席だけど・・・


眼横鼻直

2009-08-19 06:59:54 | Weblog
昨日は「書の会」だった。
いつものように、少しはやめに貞本さんが颯爽とやってくる。
そして、富山の羽根屋の生酒をくいっとあけ、短冊に揮毫を
始めた。「一斗二升五合」(ご商売 ますます 繁盛 という縁起もの)
大塚の江戸一の女将さんに頼まれたらしい。あいかわらずいい字だ。

ちょうど煎茶の本を読んでいたら、売茶翁(ばいさおう)の言葉がでてきた。
「眼横鼻直自天真」というのがあったので、貞本さんに書いてもらった。
眼横鼻直(眼は横に並んでいて、鼻はまっすぐたてにある、それが天真(そもそも
自然の姿)。みたいなことだ。
昔から禅僧たちが、好んで揮毫したものだ。
売茶翁も、もともとは黄檗山で禅の修業をした。思うことあって、
58歳の時に、禅僧という身分を捨て、佐賀から上洛し、煎茶を
商うのを生業とした。そして、彼の「茶のこころ」が、池大雅や若冲
など絵師や、頼山陽や田能村竹田たちに影響をあたえ、煎茶の世界が
京都を中心に広がっていった。売茶翁をささえた亀田窮楽という書家も
いた。
30日のお茶会をやる京都の好日居の横山さんも、そんな売茶翁の
茶のこころを伝えるひとだ。

昨日はみんなが「茶掛けの禅語」みたいなものを、それぞれ
揮毫した。
「天真」が、生まれつき、もともと備わったもの、なら
「天才」とは、生まれつき備わった才能。特別なものではない。
イチローや松井などを天才呼ばわりすることがあるが、だれもみんな
天才なのではなかろうか?

今日は「かっぽれ」。
夏にクーラーもない部屋で、かっぽれをやると、
浴衣がしぼる前の雑巾みたいに、びしょびしょになる。
それを脱いで、たたんだ後に飲むビールのうまさは、
格別だ。


天真庵奇人列伝

2009-08-18 06:59:24 | Weblog
昨日はねんどの会だった。12月に天真庵で発表会を
するので、みんな気合がのってきた。「手」がちがってきた。
それにしても、人間の手というのは、いろいろな役割をする。
蕎麦打ちとねんどは、共通する動きが多い。こねる、ぼうで伸ばす、
たたむ、切る・・・実に「手」はいろいろな役割をはたす。
「じっと、手を見る」と、感謝したくなる。

昨日ねんどの時、元気が「しっこ」というので、表にでて散歩していたら、
近所に越してきた、「三上君」が自転車で前を通った。
これから仕事、という戦闘モードで十間橋通りを颯爽と走っていった。
彼はこちらに越してくるまでは、週一のペースで品川からママチャリにのって、天真庵までコーヒーを飲みにきていた。片道ゆうに一時間半はかかるそうだ。
途中でパンクする日があったり、雨になって帰りが電車とか、いろいろあったが
がんばって通い、今住む家と縁ができた。もともとケーキ屋さんがあった場所で
一階が店舗10坪、二階も10坪で3部屋あって、家賃が6万円。
なかなかいい物件だ。秋あたり(いまは、もう秋・・ではないけど、もうすぐ秋)
には、古本屋カフェをオープンさせる予定でいる。
まだまだ一階は雑然としているけど、二階には、江戸時代の文人たちの
書が、飾られていて、凛然とした空気が流れている。
彼も不思議な文人であり、武道家であり、ときどき舞踏家を応援している
奇人の代表みたいな人だ。毎月天真庵では「順受の会」という通称「論語の会」
がある。論語の教科書は、故・岡田先生著。先生が生前、京都国際会議所で
「世界陽明学学会」を開催された。それに参加するために、三上君が上洛し、
お金を節約するために、三条大橋のたもとに寝て、参加した、というのは
今でも語り草になっている。彼の「奇人伝」は筆舌が及ばない。
もちろん30日のお茶会には参加する。

今日は、書の会。
天真庵の看板を揮毫してくれた友だち。この人も
説明する必要がない、くらい奇人だ。個人的には、
坊さんや書家の書いた書よりも、「文人の書」が好きだ。
「文人の書」として、最高峰だといわれている故・白井晟一さんの
書が二階に飾ってある。「生」という書。生きている文人の書
としたら、貞本さんの書は、最高峰ではなかろうか。

『夏休み小茶会』@天真庵by好日居。

2009-08-17 06:52:53 | Weblog
お茶というのは、まことに不思議なものだ。
日常茶飯の中に入っているし、今ではコンビニや
自販機でも気楽に買える。お店にいってでても、訪問先
ででても、当たり前のような感じで、あまりありがたいとか
感じないけど、「お茶会」となると、まったく別ものになる。
日常が非日常になる。

そもそもお茶を飲むのは、緊張をとくために飲む、のが日常だが、
お茶会となると、緊張するため、いく、みたいなニュアンスだ。
ともかく、お茶というのは、まだまだわからないことが多い。
先人たちが残してくれたとても素敵な文化なので、大事にしたいと思う。

30日のお茶会(『夏休み小茶会』@天真庵by好日居。)
は奇妙キテレツな奇人たちのお茶会になりそうだ。
どんな時代も「奇人」がおもしろい。奇人と変人は、かなり違う
けど、奇人とは雅人でもあり、やはりおもしろい。


今日は月に一度の「ねんどの日」。年末に天真庵で展示会をすることになった。
ので、今日から、また一段と気合がのってくる。
明日は「書の会」。みんな「個の花」が咲くような感じで上手くなったので、
これもそろそろ展示会を考えなくては。
明後日は「かっぽれ」。この会も、だいぶ上達してきたので、そろそろ
初舞台かも?

大文字

2009-08-16 06:11:23 | Weblog
今日8月16日の夜は、京都東山の如意ヶ岳に送り火が燃える日だ。
この送り火は大文字だけでなく、岩倉に舟形、松ヶ崎に妙の字が
燃える。
京都に6年住んでいた。そのうち3年は松ヶ崎の妙の字の下あたりに住んで
いたけど、その日は、こーひー屋も大混雑していたので、一度も
見たことがない。東京に移り住み、盆休みに帰省して、いつも
16日あたりに京都を通過するのだが、混雑した京都がきらいなので、
見るチャンスを逸している。
霊送りというのは、自然とこの年に死んだ人の、ありし日を偲ぶ
日であり、人生のそこはかとない無常を感じさせる日。

京都の東山に「好日居」というのがある。
古い町家を改装して、お茶を供する素敵なカフェ。
そこの女主人は、売茶翁よろしく、ときどき、
お茶道具をかかえて、縁ある場所で小さなお茶会を
やっている。そして、ついに天真庵にやってくる。
30日(日)の朝10時、天真庵の2階でお茶会をすることになった。

名づけて、『夏休み小茶会』@天真庵by好日居。

興味のある方は、どうぞご一報くだされ。会費2000円。
京都の文人たちがあこがれた売茶翁の世界を味わってみたいと
思う。


スウィーツ

2009-08-15 06:46:29 | Weblog
昔から珈琲の美味い店には、チーズケーキがあった。
しかも、「○○おじさんのチーズケーキ」みたいに
顔(名前)が見えるような名前のものが多かったと思う。
でも、チーズケーキとかを「スウィーツ」とはいわなかった
。いつごろからそういい始めたのだろうか?
今だに、そう呼ぶのが、なんとなく照れくさい今日このごろ。

最近は「草食系の男子」が多いといわれるけど、スウィーツ
好きの男子も多い。盆休みということもあるが、昨日は
男子がたくさんチーズケーキを食べていかれた。

いつも番外みたいなものがあるけど、昼間ヨッパのおじさん
がやってきた。「悪いけど、冷酒をくれや」と、最初から
高圧的な態度。おかえしに、「おいていない」
と答えると、「では、コーヒーをくれ」ときた。
「ホットとアイスはどちらがよいですか?」というと、
「ヒヤ!」だって。お店の凛といた空気がよごれたので、
丁寧におひきとりいただく。
男子は肉を食べる時代から草を食べる時代に移ったけど、
なかなか「居場所」をみつけるのは骨がおれるようだ。

庭にかける掛軸

2009-08-14 06:12:08 | Weblog
昨日は1日家にいた。
そんなことは、たぶん10年に一度もないことだけど。
庭に、石仏がふたつおいてある。ひとつは、「ふーじいさん」
が彫った六地蔵で、もうひとつは、新潟の骨董やで買ったものだ。
ふーじいさんは、知り合って1年もしないで天国に旅立った。
新潟で買ったものは、2週間くらいして中越地震がきた。どちらも、
不思議な縁で、我が家にやってきたものだ。
昨日は、ふたつを、庭に配置がえをしていたら、なんだか、仏を
おいてる場所が床の間に見えてきた。ので、「そうだ、掛軸を飾ろう」
と思い立ち、押入れの中にある、白い陶器の掛軸をだしてきて、飾ってみた。
10年くらい前に、陶芸家の久保忠廣さんがつくったものだ。「水」がテーマ
だっと思う。緑の中に、苔をむすんだ石仏、その背景に滝のようなイメージの
白い陶器の掛軸・・・・夢想疎石も考えつかない庭?
うちのじいちゃんは、宮崎で名にしおう庭師だった。お盆ではないけど、
自分の体の中にそんな先祖のDNAを感じた日。
誕生日は「親に感謝する日」。お盆は、「先祖に感謝する日」。
天恩感謝。


ダメから始める中国語

2009-08-13 07:54:51 | Weblog
昨日は盆休みにもかかわらず、「ダメから始める中国語」
がにぎやかだった。
昨日は「レストランにいって、注文をする」編。
小川先生の表情が明るくて、難しい内容だけど、
みんな終始楽しそうに学んでいる。
香港が中国に返還された時に、ワカたちとシンセンに
いって、中華料理を食べたことを思い出した。
あれから香港にいってない。

お昼を天真庵の蕎麦を食べ、「さあ、出陣」と元気にオペラシティー
にでかけたヨッシーから電話があり、「ドレスをそちらに忘れた」
とのこと。なんとも、あいかわらず、超天然なのだ。
3時過ぎに「つきびとみたいな夫」の般若君が、とりにきた。
木曾からもってきてくれたトマトと、とうもろこしを勉強会のあとの
蕎麦会でだすと、都会のぼくたちの体が、よろこんだ。
自給率をあげると、確実においしい野菜が食べられる、と確信。
まじめに、もっと自給率をあげないといけない。

今年は「トマト」と「オクラ」をプランターで育てて食べた。
庭の隅には、九条ねぎを植えた。そろそろお店のプランターに
蕎麦の種をまく予定。元気のなかったニラも風通しをよくしたら、
元気になってきた。

今日は定休日。お茶もお休みなので、ゆっくり本でも読みながら
過ごそうか、と思っている。
「なべや」の福田さんが書いた「大江戸料理長」を読んでいると、
大塚にいきたくなった。ここで食べる郡上のあゆは、江戸では一番。
日本で一番うまいあゆは、やはり尾西の「金豊館」だと思う。



ローカス

2009-08-12 07:59:06 | Weblog
昨日の昼下がり、ヨッシーがやってきた。
今日の夕方、東京オペラシティーで、湯浅譲二さんの
80歳の誕生日のコンサートでひく曲を、演奏してくれた。
「ローカス」・・・軌跡・・・彼の80年の人生の軌跡みたいな
ものを感じられる素晴らしい曲だった。
演奏の途中で、クラリネットの山根さん、バイオリンのジョージさん
もやってきた。本日のコンサートに出演する3人の音楽家が、カウンター
にとまっている・・・なんとも不思議な光景。
きっと、すばらしいコンサートになると思う。
当日券は3500円だけど、値打ちは5倍くらいあると思う。

今日は「ダメから始める中国語」