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政府の緊急ネットワーク「エムネット」受信は勤務時間中だけ

2009-04-16 23:54:25 | 政治経済
「エムネット」受信できない…夜間は電源オフ、人手不足も(読売新聞) - goo ニュース

こういうのをお役所仕事というんですよ。

運用を全く考えないでインフラだけ整備していればいいと思ってんでしょうか。

いったいいつ起こるか分からない緊急事態に備えて
24時間365日エムネットの前に職員を座らせておくわけにはいかない。
それはその通りでしょう。

そのために、要員を貼り付けておく方が無駄です。

参考に同じような条件のシステムについて書いておきます。
詳しくは書けませんし、今もそのまま稼働しているかどうか知らないけど、
国の機関のシステムで、特定の地域の放射能汚染を検知するものがあります。

センサーが監視区域においてあって、24時間365日監視です。

監視区域は誰でもいつでも入れる場所ではなく、国際的な特別な許可のいる場所。
(もちろん日本国内ですが)

以前のシステムでは、センサーが記録を紙に常時出力していて、
職員が時々紙を交換に行ってました。
また、異常の有無とは別に監視すべき一定の条件が発生することは、
あらかじめ分かるので、その条件が発生する前後に、
職員を派遣、センサーのある小屋に常駐させてました。

現地の職員はその期間中、交代制で24時間センサーをにらんでいて、
何か異常値を検知すると、上級の担当官に連絡を入れます。

ただし、条件が発生する周期は不定期で突発的なこともあり、
その期間も1日くらいから1カ月くらいまでさまざま、
急に伸びたり短縮されたりします。

しかも監視区域は全国に何箇所もあり、同時に条件が発生することもあって、
人員の調整や手続きに膨大な手間と時間がかかっていたそうです。

また、何か起こるかもしれないと何も起こらない監視をつづけることは、
大変なストレスで、現地に派遣された職員の負担も大きい。

そこで、新システムでは、センサーも新しくしましたが、
監視制御と記録通報の仕組みを全く新しくしました。

まず、センサーが24時間365日監視していることは今まで通りですが、
記録をデジタル化して記録通報システムに乗せ、
遠隔地からいつでも確認することができるようにしました。

何もない時でも何もない様子がいつでも確認できるというわけです。

そしてもし異常を検知したら、
今までは現地職員が行っていたサンプル採取を自動的に行い、
記録通報システムがアラームを出すと共に、
自動的に上級職員や、関係有識者に電話します。

職員は電話を受け、システム上のデータを確認することができます。
また、個々の職員がそれぞれデータを確認したという操作を行わない限り、
未確認の職員にはシステムが一定時間間隔で電話をかけ続けます。

異常値のレベルに応じて、電話する相手方を変更、
最高レベルの異常の場合は、担当大臣(当時は長官)にまで連絡が入ります。

今まで現地に行かないと分からなかった異常の内容が遠隔地でも確認できるため、
移動中にも分析や対策の検討ができるし、呼び出された全員が情報共有できる、
というわけです。

当然ながら、深夜早朝、休日問わず、異常時は関係者に連絡が入りますし、
先のミサイル伝言ゲームのように聞いた人が自分の判断で文言を加えることもなく、
連絡漏れも、聞いてないよ~状態もなく、緊急対応ができるようになりました。

でもそれはそんなに特別なことではなく、
優秀な官僚が必要なことは言うまでもありませんが、
ちゃんとしたSEが付いていれば、欠陥システムにはなりません。

人手不足なんかは理由にならない、というか、こういうシステムには、
人が張り付いてなんかいられないことを前提にシステムを設計すべきです。

先だってのミサイル発射誤報なんかは、担当者による人為ミスだということですが、
起こるべくして起こるミスとしか思えませんし、
国防という最も間違いがあってはいけない事案で、
言って見れば、言い間違い、勘違いで間違った情報が伝わるなんて、
仕掛けの欠陥としか思えません。

このエムネットの件も、情報伝播という肝心の部分が間抜けになっているとしか思えません。
とにかく伝える仕組みは作った、その情報をどう使うかは受け取った人次第、
なんてシステムがどうでもいい情報ならいざ知らず、
政府からの緊急情報でまかり通るなんて、信じられません。

ニュースを読んだ人は、自治体の怠慢と思うかもしれませんが、そうではない。

こういう運用になることもあることを考慮の上でシステムを考えるべきで、
起案した官僚の方が責められるべきです。

ただ、私の立場から言うと、
こういうシステムを作りたいと相談を受けたSEがいるはずで、
いくら官僚がこういうものでいいといっても、
このままでは絶対に機能しない、こうすべきだ、と進言すべきです。

その意味ではそのSE、あるいはそのメーカーやSIERこそ
力不足、認識不足だというべきかもしれません。

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