握手

最近は久しぶりに会った友人と握手を交わすことも珍しくなくなった。
とはいえ、まだ日本では「お辞儀の代わり」とまではいかないようだ。

ニュース映像などを見ていると、特に先日のＧ２０など国際政治の舞台では
握手が当然のように行われるが、その握手の仕方が両国関係を表している、
と、どこかで聞いた気がする。

今回のＧ２０では、ホスト国である日本の安倍首相が各代表を出迎えるシーンが
何度も放送され、握手を観察するのは面白かった。

どこの国や機関の代表がどうだったかは、ここでは書かないが、例えば、

互いがかなり離れた位置から右手を差し出しながら近づいての握手、
歩いている間は手を出さず、接近してからやおら手を出す握手、

がっちりと手を握り合う握手、
指先を触れる程度にして深く握らない握手、

ずっと握っている握手、
文字通りのシェイクハンズで、握り合った手を上下させる握手、
逆にすぐ手を放す握手、

などなど。

片方が深く握ろうとしているのに相手が深く握らないケースもあった。

握手する前から右手を差し出して接近するケース、握手だけでなく左手で肩を叩いたり
抱き寄せたり、ハグしたり、ほほをつけあったり、などの仕草もあった。

両首脳の親密度だけでなく、国による習慣の違い、宗教的な違いなどもあるだろうが、
やはり面白いのは握手。

前後の動作はともかく、この握手の握り方が国同士や機関との関係性、親密度を表すなら
がっちりとした握手より生半可な握手のほうが気になる。
誰は誰を嫌っているとか、どこの国はどこの国が嫌いだ、とかが見えてくる気がするからだ。

殆どの局は日本と他国、他機関との握手を放送していたので、
他の国や機関同士の関係性はよくわからなかったが、一つだけあるキー局が、
Ｃ国とＫ国の首脳会談の際の握手を放送していた。

私には、Ｃ国の代表がにこりともせず、握手もかなり浅く握っているように見えた。
その時はＣ国は表向きはともかく、実際にはＫ国が嫌いなのかな、なんて思ったものだ。

その後、別の局で件のＫ国首脳が安倍首相と握手した際、安倍首相は深く握っていたのに、
Ｋ国首脳はあまり深く握らず指先だけ。

見た感じ、安倍首相がＫ国首脳の指を握っているような握り方だった。
Ｋ国首脳が日本、Ｃ国以外の首脳とどういう握手をしたのかが分からないので憶測だが、
そもそもＫ国首脳は固く深く握りあう握手を良しとしないのかもしれない。

他国とあまり接近するのを、あるいは特定の国と仲が良いことを見せるのが嫌なのかも。
ただ単に日本が嫌いなだけかもしれないけど。
顔は笑ってましたけど、握手に本音が出ていたりしてね。

いずれにしても握手の仕方にはいろいろな意味があるように思う。
握手だけでなくその前後の動作や姿勢にも一定の重みがありそうですが。

これからも政治家同士の握手には注目したい。