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プレSE、「少額訴訟」 第七章 その7

2008-05-17 10:14:53 | 趣味
係長とその部下が信頼し合うのはいいことだが、同時に心配ごとでもある。
いわゆる「仲良しクラブ化」して、なあなあになる危険性が高いのだ。

特に同じプロジェクトで長くやってきて、仕事の能力だけでなく、
個人の性格や考え方にもなじんでくると、変化を嫌うようになる。

新しい業務内容や分担の変更を疎ましく思い、
チーム編成の変更に反発が生じることも多い。

それは一見チームワークが堅固であるように見えるが、
実は課や部の運営に支障をきたすことが多い。

駅までの道は、夏の夕暮れが訪れていた。

御厨は中央林間から東急電鉄で渋谷を経由して帰る事にした。
この時間の上りは随分と空いているが、朝は大変らしい。

毎日二百%超の満員電車に揺られて、帰りも相当混んでるし、
まあ、ストレスがつのれば胃も悪くなるさ。

一週間くらいなら係長一人休んでも何とかなるが、
斎藤には特別なタスクがあった。

それは、旧建設省の出身で技術顧問の沢田の対応だった。
斎藤は沢田の特にお気に入りだったので、
この一週間に沢田のご機嫌を損ねないかが気にかかった。

まあ、来週早々にも沢田さんに一応一言声を掛けとくか。

格から言えば、本部長クラスから一言、言ってもらう方がいいのだが、
あいにく本部長は来週一週間夏休みだ。

来週一週間、あいにくとね。

本部長の山上は相変わらず疎ましく思われていた。
SEはお客様相手のサービス業だ。
工場と違って、事業所一斉の夏休みはない。
常に誰かが対応できるようにスケジュールを調整して休みを取る。

それでも、土日を挟んで五、六連休が精一杯だ。
お客様の夏の暇な時期を利用して、システム移行することも多いので、
間接部門ならいざしらず、直接部門の本部長が
一週間丸々休みということは、あまり考えられない。

「まあ、絶対に居てもらわないといけないということもないしな。」

御厨は誰にいうともなくつぶやいて、車中の人となった。

***

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