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共創出版は自費出版ではない

2006-04-12 18:05:20 | 趣味
自費出版「碧天舎」が倒産、250人「お金返して」 (読売新聞) - goo ニュース

弁護するわけでもなんでもないですが、
碧天舎の場合、自費出版でなく「共創出版」と呼ぶサービスだったらしいですね。

出版社が費用を負担して本を出版し、著者には原稿料や印税を払う=企画出版。
著者が費用を負担して出版する=自費出版。
その中間で著者と出版社が費用を分担する=共同出版、協力出版、共創出版。
(出版社により名前が違う、Bプランなどと言うのもあるらしい)

この分担の仕方は出版社によってまちまちのようで、
(実態かどうかは別として、口上では)
費用を著者と出版社で折半するものや
出版に掛かる費用は著者、流通宣伝に掛かる費用は出版社、
その他にも分担の仕方はいろいろとあるようです。
また、率はまちまちでしょうが印税としてペイバックもあるようです。

で、本当にこの共同出版とか協力出版、共創出版なるものが、
費用も作業も著者と出版社の分担であれば問題はないと思うのですが、
碧天舎の場合、どうも全額自費で出版するより費用が高かったらしい。
(同じ原稿を同じ装丁で同じ冊数を自費出版するとしても、
 出版社によって、内容が違い金額も大きな幅があります。
 全ての出版社の自費出版が共創出版より安いというわけではありません。)
 
そこで本代(=出版に掛かる費用)だけでなく、
配本や書店営業に掛かる費用(+それなりの利益)も上乗せした価格を
著者に負担させているのではないかと言う疑問があったようです。

さらに言うならば、
何とか賞や、原稿募集などで応募があった人に、
落選ではあるが、そのまま埋もれさせるには惜しいので、
共創出版という形で世に出したい、と提案していたらしいです。

問題はまだあって自費出版なら本は著者のものですが、
共創出版の本の所有は出版社らしく(だから印税を払うことになっている)
売れ残りの本も返ってこない。
したがって、印刷せず売れ残ったから処分したといわれても判らない

売れ残りを引き取らなくて済むから良いと言っている人がいるようですが、
戻ってくれば、ブックオフに持って行けるじゃん。
友達にも配れるし(友達は迷惑かも知れませんが)

はっきり言って素人には出版に掛かる費用なんて判りません。
作業だってよく判りません。
出版社で相当の作業と費用を負担しているんだ、
と言われればそうかなと思うしかない。

それでも「本を出す」という大きな夢を叶えるため、
費用を払いながら本が出てない人が250人、と言うわけです。
碧天舎はつぶれたので、もう本は出ないし、金も返ってこない。

費用を分割にした人や一括にした人、いろいろいるらしいですが、
悲惨なのは、ローンを組んで分割にした人。ローンは残るんですよね。

****追記****記事のタイトル変更

この記事を書いた後、碧天舎についての記述を探っていたら、
「共創出版」などの共同・協力出版は自費出版ではない、
との記事に突き当たった。
騙しの出版商法と闘うために
確かに言われてみれば、私自身の書いた記事(この記事)を読んでも、
共創出版と自費出版は異なると書いているわけで、
タイトル「共創出版という名の自費出版」は自己矛盾している。

そこで、この記事のタイトルを「共創出版は自費出版ではない」に変更したわけだが、
リンクを紹介したページでは「著者が制作費を負担する商業出版」と表現されている。

なお、「売ってくれる自費出版」は普通の自費出版を取り扱う出版社でもやってくれる。
出版社によって売ってくれるための努力は違うだろうし、
印刷製本しかしない印刷業者として自費出版を扱うところもあるので、
話はややこしいのだが、「自費出版=売らない本」ではない。

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