峰猫屋敷

覚え書と自己満足の場所

映画 『K-20 怪人二十面相・伝』

2009年02月02日 11時12分51秒 | 映画・テレビの話

小学生時代から中学生時代にかけて、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを5、6回は読みました。
あの世界は、私の憧れでした。
探偵7つ道具も作れるものは作りましたさ。
BDバッジの代わりに、貝ボタンに夜光塗料を塗ってみましたさ。
道を歩いていたら声を掛けてきた不審な大人を、尾行したこともありましたさ。
(良い子は絶対にマネしないように

私の中の怪人二十面相は決して良い人ではなく、泥臭い変装をする泥棒です。
スマートな仮面やマントを身に着けたイメージではありません。
だって、提灯状のものを持ち歩いて、それをすっぽりかぶってポストに化ける人ですよ。(バレたらマヌケ)
血を見るのは嫌いだけど、少年探偵団が洞窟で迷って勝手に死ぬのは構わない、という人ですよ。
鳩の下側に画用紙着けて飛ばせて、UFO騒ぎを起こした人ですよ。

そのイメージから掛け離れた映画は見るつもりなかったんだけど、北村 想の原作を読んだら結構面白かったでした。
二十面相は大きなショーをやりたい人であり、明智は計算高い男で小林くんはコ生意気。
たしかにそれはアリ。
随所に昔読んだ設定が出てきて、それを別の角度から皮肉に捕らえていて、作者が少年探偵団シリーズを愛していたのだと感じました。(たぶん)


で、映画を見てみたのですが、これがまた原作とは全く違っていました。

別次元の日本の話にしてしまっていて、最初から違和感がありました。
話の大筋も違う。
明智がヤな奴なのは一緒だけど、そのヤさも別もの。 
最後はそっちへ行っちゃう? みたいな。 (安易だと思う)

とはいえ、映画としては面白かったでした。
遠藤平吉が修行のために障害物を乗り越えて、どこまでも一直線に進む場面は痛快だったし、
女だったら、「こうされたい、ああ言われたい、こうなりたい、こんなこと出来たらな~
が、てんこもり。
この映画の脚本・監督は女性です。 これは女性が見て楽しい映画です。

金城武って、今まで興味なかったけど、 かかか、かっこいい~
そして小林少年が美少年。若き日の美輪さんのよう。 でも、コ憎たらしい。
(そういう役だからいいんだけど)

松たか子はあまり好みじゃなかったけど、この役に合ってたと思います。
私の中で好感度アップ。

彼女がまだ十代の頃、野原しんのすけ(5歳)が、
「オラ、20歳未満のおねいさんに興味ない! ただし松たか子は別!」
とか言っていましたが、彼はなかなかの慧眼の持ち主なのかもしれません。