創作実験クラブ12日目
今年度最終日の活動レポートです。
この日は実験に取り組む前に
お二人のプレゼンの場を設けました。
まずは「読み聞かせ」という
表現行為を提示いただきました。
読み聞かせと聞くと子供を相手に
絵本の読み聞かせを思い浮かべますが
今回はTIPAメンバーに向けて
石牟礼道子さんの「椿の海の記」の
一説を読んでくださいました。
眼を閉じ、耳を傾けながら
語られる情景を脳裏に描いた数分間。
シンプルな表現行為と鑑賞法
情報過多の時代ゆえ新鮮な体験でした。
2021年度の創作実験クラブ初日にも
読み聞かせの依頼をさせていただきました。
次回は絵本の読み聞かせで。
楽しみです。
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もうお一人のプレゼンは
ここ3年間継続されている作品の経過報告です。
今回は動きを伴う展開を提示いただきました。
マジックショーを見ているような
手さばきに一同驚きました。
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以下、本題となる
複製の実験・応用編の報告です。
今や原本不在とも言える時代となりました。
そのような中
今回は事前にカーボン紙を配布し
「複製」する実験に取り組みました。
この日は
各人、複製に向き合う作戦を立てて参加。
驚いたことに二人がコイン持参・・・。
(一人は私)
モチーフはユーロ登場につき
今は亡きフィンランド・マルッカと
アイスランド・クローナ。
ネガ・ポジ、正像・鏡像
頭が混乱する結果となりました。
カーボン紙に刻まれた凹凸が儚く
実態がないながらも存在感がありました。
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こちらは色紙とカーボン紙を重ねて
強く丸め込み、広げています。
凸版、凹版、どちらとも認識できる
図柄を得ることができました。
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絵本の一場面をトレースし
自身の手のひらに転写。
手相を描いたとも言える
夢ある画面が仕上がりました。
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モチーフは
幼少期の心をつかんだ「アルプスの少女ハイジ」
その輪郭を抽出して制作ノートに転写。
子供の頃の意識を
コレクトする行為ではないかと思いました。
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ZOOM画面越しに繋がるメンバーの制作物です。
折り込んだ色紙にフロッタージュ。
フロッタージュ画面を解体して見えた図像を
完成形とした取り組みです。
・・・その意図は?
様々な制作意図を与えることができそうです。
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以上、当日の成果の一端を紹介しました。
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて
写真・写真表現・シルクスクリーンetc.
表現の研究活動をおこなっています。
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