田切通信

旅行に写真に究極超人あ~るに飯田線田切駅

YS-11

2006-09-30 19:36:21 | その他
 今日で日本の空から民間航空のYS-11が消えたとニュースで流れていた。なぜにして「民航」と断りがあるかというと、海保なんかではまだ使ってるから、完全に消えた訳じゃないからだったりする。YS-11は戦後日本が自国開発した唯一にして最後の旅客機なのだ。就航から40年もたっていても、後継機はついぞ国産されなかった。これは技術力がなかったのではなく、単に政治的配慮。ロッキード事件なんて知ってる人いるかな?政治家のえらい先生が海外の航空メーカーから賄賂もらって「外国産を輸入する」と決めたから、国策により金のかかる自国開発を放棄したのだ。
 YS-11は良く出来た飛行機で、双発のレシプロ(プロペラ)の機体は離着陸距離が短いので、地方の小さな空港にも着陸できた。東京(羽田)などの大都市から地方や離島の小さな空港間で多数就航していたのだ。まさに日本の国土事情によくあった飛行機だったのだ。かく言う僕も、生まれてはじめて乗った飛行機はこのYS-11だった。(因みに一番最近乗ったのはC-1輸送機)当時僕が乗った羽田から和歌山の南紀白浜空港間の便はこれだった。希薄な過去の記憶を思い起こすと細く小さな機体は窮屈で圧迫感があり、レシプロエンジン独特の振動は強く、子供心に不安な気分ですごした覚えがある。その後地方の空港も中型のジェット機が着陸できるように滑走路の拡張を順次行い、旧式の純国産レシプロ機は外国製のジェット機に取って代わられたのだ。実を言うと、今日のニュースを見て「まだ飛んでたんだ」という驚きのほうが強かった。
 老兵は消え去った・・長いことご苦労さんでした。