未歩行区間
陸中中野駅 ―> 侍浜駅 JR営業キロ6.0Km
歩いた区間
侍浜駅 ―> 陸中夏井駅 JR営業キロ7.3Km
2018年9月17日(月曜日)
夜中に雨の音で目が覚めた。かなり強く降っている。
雨具は持ってきているがもし雨降りなら歩くのはやめようかなと思う。
足が痛いのだ。
すでに傷になっているから休んだからといって回復するというものではない。
うとうとしているとゴ、ゴ、ゴ、ド、ド、ドと大きな音が聞こえる。
はてこんな夜中に工事をしているのだろうか。
やっと東の空に明るさが見えてきた。
うるさくて寝ていられないので起きだして外を見る。
いつの間にか雨はあがっていて、そこここが水たまりになっている。
あの大きな音は漁に出ていく漁船のエンジン音だった。
そうこうしていると夜が明けてきた。
車から出てみると堤防には海釣りをする人が数人いた。
午前5時過ぎだというのにみなさん早起きだねぇ。
と、公園の東屋を見るとベンチに寝ている人がいた。
シュラフにくるまってい寝ているようだ。
あの強い雨のなか屋根があるとはいえ濡れなかったんだろうか。
ここは「すわ緑地」という公園だった。
公園には円錐形のモニュメントがあった。
銘板を見るとこの円錐形は大震災の時の津波の高さを表しているのだった。
このてっぺんまで水没してしまったということだ。
公園の外側に続く堤防より高いのだ。
これでは海岸沿いにいたなら助かりようがないな。
きょうもパン1個と缶コーヒーで朝食にしながら考える。
足はかなり痛い。
あの陸中中野駅から国道45号線への上り坂は耐えられないような気がする。
侍浜駅まで歩く距離は約10キロになる。
侍浜駅から久慈駅までも10キロなので合計20キロメートルになるのだ。
通常なら余裕で歩けるだろうが、この足の状態では踏破できないだろうと思う。
だが歩き旅も続けたい。
さんざん考えて陸中中野駅から侍浜駅はパスすることにした。
この区間は後日歩くことにしよう。
車で侍浜駅まで行き、駅前に車を停める。
右足をかばうようにしながら歩きだす。
駅前には空き家と思われるレトロな建物があった。
二階の出窓がとてもよい雰囲気。
一階部分とのミスマッチが素晴らしいなぁ。
人のいない道を行く。
この道は侍浜駅で行きどまりだから通る車もない。
踏切を超えて国道395号線へと通じる道を下っていく。
長い長い下り坂だった。
国道395号線は九戸街道とも呼ばれ久慈市と二戸市をつなぐ道なのだ。
コスモスが雨露に濡れて色鮮やか。
陽が差してきた、風はないので気温がどんどん上昇していく。
ウィンドブレーカーを脱いで、少し歩いてシャツも脱いでT-シャツだけになるがそれでも暑い。
今回の旅も雨に降られなかった。
しっかりとディパックの中に雨具を用意してきたときに限って雨は降らない。
やはりマーフィーの法則ということだな。
国道395号線も久慈市方面に向かってずーっと下り坂だ。
歩いていると足がなにかに引っかかる。
見るとシューズのソール部分が剥がれていた。
ずいぶん長いこと履いているがこんなところで剥がれるとは。
剥がしても歩行には差し支えない部分だったのが幸いである。
栗が落ちていた。そうかそんな時季になってしまったんだなあ。
記念に5粒ほど拾ってディパックに入れる。
小高い所に小さなお社が見えた。どうやら個人のお宅のお社のようだ。
すすきの向こうに建設中の高速道路が見えてきた。
どうりでダンプカーの往来が多いわけだ。
久慈市は琥珀の産地で博物館もある。
「もぐらんぴあ」という水族館もある岩手県北の有数の観光地でもあるのだ。
と、、なにやらギザギザの円盤が見えた。
ここは、のこぎりの修理などをしている会社だった円盤は丸鋸だったのだ。
現物看板はわかりやすいし見て楽しいな。
民家の前に使われていない自動販売機がぽつんと立っていた。
抽選で当たりが出る仕組みのドリンクの販売機だ。
ショーケース部分のアクリル板もすっかり曇ってしまい中が見えない状態。
コーラの缶も錆びているし瓶のラベルも剥がれてしまっている。
どんな事情で撤去できずにいるのだろうか。
幹線道路を外れて鳥谷川の堤防を歩く。
靴擦れの指が痛い。
持ってきた絆創膏は使いきってしまったので貼りかえることもできない。
きょうは歩かずに帰宅したほうが良かったかなあと気弱になってしまう。
そうしていると今度はもう片方のシューズのソールが剥がれてしまった。
と、、足元を見ると、これは“さかなクン”ではないか。
みんなに踏まれつつも海の美しい久慈市の宣伝しているのだ。
まさに縁の下の力持ち。
その先には歩道にハートがあった。
テレビのバラエティ番組で日光東照宮にあるハートを探せ!というのを見たことがあるが、ここのはそういうこととは無縁で人知れずひっそりとあるのだった。
やっと陸中夏井駅前まで来た。
駅へと向かっていく。
駅舎は車掌車を改造したものだった。
形から推測するとヨ5000型車掌車ではなかろうか。
じつにシブイ。
こういうのはわたしのお気に入り。
車掌車の活用方法としては抜群である。
待合室内も広いし明るい。
窓のばね式開閉器がそのまま残っているのもうれしい。
ベンチに座って靴を脱いで足を休ませる。
サロンパスは持ってきたのだが靴擦れには使えないしなあ。
あと一駅だ、なんとしても歩き通したい。
陸中中野駅 ―> 侍浜駅 JR営業キロ6.0Km
歩いた区間
侍浜駅 ―> 陸中夏井駅 JR営業キロ7.3Km
2018年9月17日(月曜日)
夜中に雨の音で目が覚めた。かなり強く降っている。
雨具は持ってきているがもし雨降りなら歩くのはやめようかなと思う。
足が痛いのだ。
すでに傷になっているから休んだからといって回復するというものではない。
うとうとしているとゴ、ゴ、ゴ、ド、ド、ドと大きな音が聞こえる。
はてこんな夜中に工事をしているのだろうか。
やっと東の空に明るさが見えてきた。
うるさくて寝ていられないので起きだして外を見る。
いつの間にか雨はあがっていて、そこここが水たまりになっている。
あの大きな音は漁に出ていく漁船のエンジン音だった。
そうこうしていると夜が明けてきた。
車から出てみると堤防には海釣りをする人が数人いた。
午前5時過ぎだというのにみなさん早起きだねぇ。
と、公園の東屋を見るとベンチに寝ている人がいた。
シュラフにくるまってい寝ているようだ。
あの強い雨のなか屋根があるとはいえ濡れなかったんだろうか。
ここは「すわ緑地」という公園だった。
公園には円錐形のモニュメントがあった。
銘板を見るとこの円錐形は大震災の時の津波の高さを表しているのだった。
このてっぺんまで水没してしまったということだ。
公園の外側に続く堤防より高いのだ。
これでは海岸沿いにいたなら助かりようがないな。
きょうもパン1個と缶コーヒーで朝食にしながら考える。
足はかなり痛い。
あの陸中中野駅から国道45号線への上り坂は耐えられないような気がする。
侍浜駅まで歩く距離は約10キロになる。
侍浜駅から久慈駅までも10キロなので合計20キロメートルになるのだ。
通常なら余裕で歩けるだろうが、この足の状態では踏破できないだろうと思う。
だが歩き旅も続けたい。
さんざん考えて陸中中野駅から侍浜駅はパスすることにした。
この区間は後日歩くことにしよう。
車で侍浜駅まで行き、駅前に車を停める。
右足をかばうようにしながら歩きだす。
駅前には空き家と思われるレトロな建物があった。
二階の出窓がとてもよい雰囲気。
一階部分とのミスマッチが素晴らしいなぁ。
人のいない道を行く。
この道は侍浜駅で行きどまりだから通る車もない。
踏切を超えて国道395号線へと通じる道を下っていく。
長い長い下り坂だった。
国道395号線は九戸街道とも呼ばれ久慈市と二戸市をつなぐ道なのだ。
コスモスが雨露に濡れて色鮮やか。
陽が差してきた、風はないので気温がどんどん上昇していく。
ウィンドブレーカーを脱いで、少し歩いてシャツも脱いでT-シャツだけになるがそれでも暑い。
今回の旅も雨に降られなかった。
しっかりとディパックの中に雨具を用意してきたときに限って雨は降らない。
やはりマーフィーの法則ということだな。
国道395号線も久慈市方面に向かってずーっと下り坂だ。
歩いていると足がなにかに引っかかる。
見るとシューズのソール部分が剥がれていた。
ずいぶん長いこと履いているがこんなところで剥がれるとは。
剥がしても歩行には差し支えない部分だったのが幸いである。
栗が落ちていた。そうかそんな時季になってしまったんだなあ。
記念に5粒ほど拾ってディパックに入れる。
小高い所に小さなお社が見えた。どうやら個人のお宅のお社のようだ。
すすきの向こうに建設中の高速道路が見えてきた。
どうりでダンプカーの往来が多いわけだ。
久慈市は琥珀の産地で博物館もある。
「もぐらんぴあ」という水族館もある岩手県北の有数の観光地でもあるのだ。
と、、なにやらギザギザの円盤が見えた。
ここは、のこぎりの修理などをしている会社だった円盤は丸鋸だったのだ。
現物看板はわかりやすいし見て楽しいな。
民家の前に使われていない自動販売機がぽつんと立っていた。
抽選で当たりが出る仕組みのドリンクの販売機だ。
ショーケース部分のアクリル板もすっかり曇ってしまい中が見えない状態。
コーラの缶も錆びているし瓶のラベルも剥がれてしまっている。
どんな事情で撤去できずにいるのだろうか。
幹線道路を外れて鳥谷川の堤防を歩く。
靴擦れの指が痛い。
持ってきた絆創膏は使いきってしまったので貼りかえることもできない。
きょうは歩かずに帰宅したほうが良かったかなあと気弱になってしまう。
そうしていると今度はもう片方のシューズのソールが剥がれてしまった。
と、、足元を見ると、これは“さかなクン”ではないか。
みんなに踏まれつつも海の美しい久慈市の宣伝しているのだ。
まさに縁の下の力持ち。
その先には歩道にハートがあった。
テレビのバラエティ番組で日光東照宮にあるハートを探せ!というのを見たことがあるが、ここのはそういうこととは無縁で人知れずひっそりとあるのだった。
やっと陸中夏井駅前まで来た。
駅へと向かっていく。
駅舎は車掌車を改造したものだった。
形から推測するとヨ5000型車掌車ではなかろうか。
じつにシブイ。
こういうのはわたしのお気に入り。
車掌車の活用方法としては抜群である。
待合室内も広いし明るい。
窓のばね式開閉器がそのまま残っているのもうれしい。
ベンチに座って靴を脱いで足を休ませる。
サロンパスは持ってきたのだが靴擦れには使えないしなあ。
あと一駅だ、なんとしても歩き通したい。